ある家のドアがきしんで、キーキー音がします。
ドアを開け閉めする時に、ドアと床がこすれて音を立てているのです。
大工さんに修理をお願いしたら、ドアの下にロウを塗ってくれました。
しばらくはそれでスムーズに開け閉めできました。
しかし、数日経つとまたキーキー鳴り始めました。
そこで、違う大工さんに来てもらったところ、ドアの下部をカンナで削ろうとし始めました。
『それはやめてくれヾ(≧皿≦;)ノ』
と断り、その大工さんには帰ってもらいました。
次の大工さんは、ドアのちょうつがいを新しいモノと取り替えてくれました。
でもイマイチでした。
また別の大工さんを呼びました。
すると、その大工さんは遠く離れ、ドアを眺めて言いました。
『ロウを塗っても、ドアを削っても、ちょうつがいを取り替えも無駄だよ。』
『だって柱が傾いているんだから。』
外からみたら建物全体が傾いていたのでした。
私はこの例え話が大好きです。
治療院と患者さんに、そっくり当てはまります。
腰痛がひどくて、腰のマッサージをした。
腰に注射をした。
腰の矯正をした。
腰の手術もした。
でもまたすぐに痛くなった。
こんな方、多いのではないでしょうか。
腰のレントゲンを撮ると、腰の変形が見えます。
でもそこから一歩引いて、
『なぜ腰の変形が生まれたのか。』
という広い視点で見れば、うまく解決できます。
●体の土台となる、骨盤がゆがんでいた。
●足の長さが違っていた。
●そもそも体全体が傾いていた。
そんな状態であれば、いくら腰に治療を加えても、またすぐに変形します。
『腰が痛い』
これは結果であって、原因は他にあるのです。
首やひざが痛い場合も同じ。
木を見て森も見る。
そんな視点が必要なのでしょう。
私もまだまだ修行中の身。
でも最近、少しずつですが、森が見えるようになってきました。(*´∀`)b