名誉の負傷

油断していると、人生はつまずく時がある。




ある日、使うアテがないテーブルを、リサイクルショップへ持って行った。


テーブルは私の車にギリギリ乗せられるサイズ。



リサイクルショップに到着して、私は一人でテーブルを駐車場から店内まで運んだ。



そのとき事件が起きた。



運ぶ途中、側溝があり段差につまずき転倒したのだ。ミ(;_ _) =3


テーブルを持っていて、足元が見えなかった。



しかし、テーブルには傷がつかぬよう、手を放さなかった。



結果、足をしこたま強打した。


サンダルにハーフパンツだったので、ズリズリに足を擦り剥いた。


傷を負いながらも、根性でテーブルを死守した。





初代貴ノ花が、相手力士と投げ合いになったときのエピソード。


相手力士は身をかばうため、土俵に手をつき敗れた。


貴ノ花は手をつかず、顔から土俵に落ち勝利した。


そのかわり、顔は傷まみれになった。



貴ノ花も、私と同等の根性があったに違いない。





根性で死守したテーブルは、なんとか包帯代くらいのお金に変わった。





その夜。



転倒の一部始終を嫁に話した。


『ドジやねぇ。』

とケラケラ笑いながら、嫁は消毒してくれた。


私が過去に言い放った、オヤジギャグ100回分くらい嫁は笑っていた。



2歳の娘には、父親としての威厳を保つため

『子犬を助けるため、こうなった。』

と説明した。



でも嫁がすかさず


『お父ちゃんコンコロリンしたがやと。ミ( ノ_ _)ノ=3 ズコ!』



とすぐにバラした。



娘は『イタカタカッタ?(痛かった?)』


と言いながら、私の頭をヨシヨシしてくれた。(o^^)(T_T*)




娘を寝かす時間。


娘はほたえまわって、私の足を何度も踏みつけた(TдT。)

 




そして、お馬さんをしてくれ!と言って聞かない。


ここで強い父親を示さねばなるまい。


娘を背中に乗せ、負傷した足で忍耐強くお馬さんをした。




先ほど紹介した初代貴ノ花の次男、2代目貴乃花のエピソード。

 

貴乃花は負傷した足で、忍耐強く15番土俵にあがり、見事優勝した。




『傷めた足でよく頑張った。感動したっ!』


と小泉元総理がスピーチしたのは記憶に新しい。



彼もまた、私と同等の忍耐強さがあったに違いない。

 

 

 

 

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