反抗期

実は、娘は私の言う事を聞かない。

 



反抗期というやつだ。

 

 

 

最近は嫁にベッタリである。

 

 

 

家庭内格差というやつだ。




『トット(父ちゃん)イヤなが。』


『トットあっち行って。』


『アッカンベ~』


と、私を虐げる。


 


靴を履くのも


服を着るのも


風呂あがりのドライヤーも


嫁じゃないといけない。



2歳のガキンチョだから、私の大人の魅力がまだ分からないのだ。



私は大正生まれのご婦人にはめっぽうモテる。



 

嫁にこっぴどく叱られた時だけ、泣きながら私にしがみついてくる。



どうせ俺なんか、寂しさを紛らわすだけの、つなぎの男なのさ。

 

 

チェッq( ̄3 ̄)p

 





おとといの朝。


いつもと状況が違う。


嫁はすでに仕事へ行ってしまった。


私が意地でも靴を履かさねばならぬ。


保育園へ連れて行く、という任務を決行するのだ。



 

やはり娘は、私が履かすのを拒む。


やはり自分で履くという。


やはり自分では履けない。


やはり泣き出した。


やはり私が履かせてもぬいでしまう。



 

その日は、私の仕事が休みだった。




良い機会なので、試してみることにした。


娘が私に

『クツはかせて』

と言うか。


 

私が根負けするか。




5分待った。


いずれ父の偉大な力を必要とするはずだ。


明らかに、かかとのところで靴が引っ掛かっている。

これでは履けない。




10分待った。


娘が自分で靴を履けるまで待っていたら、たぶん年を越してしまう。




15分待った。


このままだと、二人とも玄関で干からびてしまう。

(○д○lll)┓Σ┗(○д○lll)



結局20分で私がギブアップした。



大泣きする娘と靴を抱え、車に乗り込んだ。



 

 

 

 

最近アイスの食べ過ぎで太ってきた私。


もう少し顔がアンパンマンに似てくれば、娘は靴を履かせてくれるだろうか。

 

 

 

 

 

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