巨人のキャッチャー阿部が、まだルーキーの頃。
大先輩のピッチャーに対して、自分の意見がうまく言えないでいた。
先輩に気後れしていたのだ。
そんな時、当時のコーチにこんなことを言われた。
『お前はキャッチャーという職業なんだから、仕事中は人格を変えろ。』
その言葉で、阿部の悩みがスーッとぬけた。
キャッチャーはピッチャーをリードするのが仕事だ。
ピッチャーに気後れしていてはお話にならない。
それから阿部は、大先輩の桑田にも自分の意見をバンバンぶつけた。
桑田が打たれた時は、マウンドまで行って、
『ドンマイ!ドンマイ!』
『切り替えて行こう。』
と、桑田のお尻を叩いて鼓舞したという。
凄いハートの持ち主だ。
ピッチャーを勝たせる。
チームを勝たせる。
それが自分の仕事。
そう割り切っているのだろう。
ちなみに、一塁への牽制のサインを見落としたピッチャーがいた。
澤村だ。
阿部がマウンドまで行って、澤村にゲンコツを落としたのは記憶に新しい。
数万人の観衆はもちろん、テレビ中継もされているなかで、ピッチャーにゲンコツをやってのけた。
凄いハートの持ち主である。
ちなみに私は、仕事中ほとんど人格を変えていない。
素のまんまである。
これが一番やりやすい。