答えはどこにある?

整体は一生勉強する仕事である。



私は学校の勉強はニガテだったが、なぜだか整体の勉強は楽しい。


毎月かなりの数の本を買う。


医療系の本。


経営の本。


自己啓発本。






本に加えて、カイロプラクティックのDVDも買いまくった。


その中で良かったものを厳選し、反復して見ている。



例えば、ひざの施術は、もっと良い方法がないかな?


なんて感じで、本やDVDを見て『答え』を探してきた。


勉強は10年間このスタイルだった。






そんなある日、私のスタイルをくつがえす言葉が頭のなかに浮かんだ。



『勉強ではなく、目の前の人間に答えがある。』


これは神の声か?(゜ロ゜屮)


どこかの本に書いてあった言葉を思い出したのか?



いまとなっては解らない。


しかし、私にとってショックな言葉だった。


答えは本に書いてある、とずっと思っていた。



それよりも、目の前のお客さんのなかに答えがあった。





新しい情報を仕入れるだけが勉強じゃない。


経験しながら学んでいくのだ。



私のやるべき事は、お客さんのカルテのなかにある。


痛い箇所。


しびれる箇所。


痛い動作。


楽になる動作。


背骨の歪み方


前回行った検査や施術。


その判定。


すべてを記入してある。




それを見ながら考える。


考える。



すると浮かんでくるものがある。


次回はこの検査を試してみよう。


骨盤じゃなくて股関節に問題があるのかな?


関節じゃなくて筋肉にアプローチしてみよう。


もっとここを重点的にやれば効果がでるんじゃないか?



そんな感じで、一人のお客さんの事を考えながら勉強をするべきだった。



私は今まで勉強のやり方を間違えていたようだ。




自分のレベルアップに関心があるうちは、問題が増えていく。


お客さんの方に関心を向ければ、答えが見つかる。




私は一流の先生に憧れてばっかりで、目の前のお客さんが見えていなかった。


私はいつの間にか勉強オタクに成り下がっていた。


猛反省した。


接客も経営も、本に書いてあることを真似してなんになる?


目の前のお客さんと、接しながら考えていけば一番良いではないか。





『我以外皆師成』


という宮本武蔵の言葉の深さがやっと分かった。


関心を向けるべきは内ではなく外だ。


自分ではなく他者だ。





答えはお客さんのなかにある。


そう思うと、がぜん力が湧いてきた。


施術が楽しくなってきた。

 

 

 

 

 

 





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