多岐亡羊

多岐亡羊は『たきぼうよう』と読む。

 

意味は


学問のみちがあまりに多方面に分かれすぎると、真理にいたるのが難しいこと。


転じて、方法・方針などがたくさんありすぎて迷うこと。



語源は

道がいくつにも分かれているせいで、逃げた羊をついに捕まえられなかったという話から。


だそうだ。





カイロプラクティックには星の数ほどテクニック理論がある。


これをすべてマスターしようと思えば、多分一生かかっても終わらない。


マスターとまではいかないが、代表的なテクニックはほぼ勉強した。



しかし、たくさんテクニックを知っていれば良いか?


といえば、そんなことはない。



一つのものを深く深く勉強して、極めている先生の方が凄い。

 

なぜ私がカイロプラクティックをあれもこれも幅広く勉強したかというと、深く掘り下げて勉強するものとそうでないものを見極めるためである。

 

 

たくさん理論があるなかから、正しいものを選びたかったのだ。

 

 

 



『この場合は冷やした方が良い。』


『いや、この場合は温めるべきだ。』


といった具合に、まったく逆の主張をして対立しているテクニックもあったりなんかする。


良いテクニックのはずなのに、上手く使いこなせず悩んだ時もあった。


 

 

やはりすべてを使いこなすのは難しい。


だから、ある程度セレクトしていかねばならない。



Aのテクニックは素晴らしいし、


Bも理論上正しい。


Cは驚くほど効果をだしている先生がいるし・・・。


Dはかなり高等な技術で、なんだか難しい。



ふむふむ。


すべてのテクニックに、それなりの価値がある。


現代は情報が多すぎて、みんな迷ってしまうのだ。




まさに多岐亡羊である。





さて何を基準にセレクトするか。



答えは、自分との相性だ。




自分が実際にやってみて、しっくりこないものがある。


そういうテクニックは、いくら勉強しても使いこなせないし、良い結果も生まれない。



逆に、勉強しているうちからワクワクして、胸が踊るようなやつもある。




こういうやつが10年20年かけて極めるべきものなのだ。



開業して10年。


やっとわかった。



良いテクニックと悪いテクニックがあるのではない。


自分に合うテクニックと、合わないテクニックがあるのだ。



世間ではこれを相性という。


理論上いくら正しくても、自分に合わないものはダメだ。


結局は、自分に合うテクニックを使えば良い結果がでる。



これでもう路頭に迷う心配はない。



自分が直感的に良いと思うものを、ただひたすら追究していく。


ゴッドハンドと呼ばれた先人は、みんなこうしてきたに違いない。





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