正直者

少し前の出来事だが、車の定期検診に行ったときの出来事。

 

 

車の点検は、購入したディーラーでやってくれる。

 

 

 

 

2時間くらいかかるので、私は代車を借り、その間に用事を済ませることにした。

 

 

点検は無事に終わり帰宅。

 

 

 

その日の夕方。

 

 

 

ディーラーから電話があった。

 

 

 

 

『坂本さん、今日代車で○○というお店に行かれましたか?』

 

 

『ええ。行きましたよ。』

 

 

『少しトラブルがあったようなので、、今からディラーに来れますか?』

 

 

 

ディラーに着くと、警察官2人と若い男性Aさんが私を待っていた。

 

 

 

 

 

 

話を要約すると、私が代車で○○というお店に行った。

 

 

Aさんが駐車する際、その代車に自分の車をぶつけてしまったそうな。

 

 

あわてて店内アナウンスをしてもらったが、私は代車のナンバーなんて覚えていない。

 

 

そのまま気付かず、さっさと帰ってしまった。

 

 

 

そこでAさんは警察に電話して、自分がぶつけた車の持ち主を捜してくれたのだ。

 

 

 

 

 

私はその現場検証というやつで呼ばれたのであった。

 

 

Aさんは泣きそうなか細い声で、私に謝罪してた。

 

『正直に名乗りでてくださってありがとう。正直者やねっ』

 

と私は彼に伝えた。

 

 

 

 

 

彼が名乗りでてエライこっちゃである。

 

 

きっと後日、ディラーから代車に傷があったと連絡がきただろう。

 

 

 

私はもちろん

 

『知らぬ。身に覚えがござらぬ。』

 

と言うであろう。

 

 

 

 

それで話がおさまるはずがない。

 

 

私が代車の傷弁償するか、車のディラーが弁償するか。

 

 

きっとモメる。

 

 

 

 

私からすれば、

 

『元々傷があったのを客のせいにした。』

 

と思うだろうし、

 

 

 

 

ディラーは

 

『自分がぶつけておいて、シラを切る人だ。』

 

と思うだろう。

 

 

 

 

いずれにせよ、お互い遺恨が残ったはずだ。

 

 

 

彼が正直に名乗りでてくれて、そのような事態にはならなかった。

 

 

 

彼が正直者だったおかげで、私は助かった。

 

 

正直者がバカをみる世の中であってはいけない。

 

 

正直者は人を救うのだ。