坂本家は夜、2班に分かれる。
A班は和室で寝る、ヨメと赤ちゃん。
B班は寝室で寝る、私と3歳の長女だ。
最近、長女と一緒にいる時間が長いせいか、やたらなついてくる。
長女と私の関係は、ちびまる子ちゃんと友蔵のそれに似ている。
私が夕食を食べていると、必ず背中によじ登ってくる。
父が愛おしいのだろう。
お風呂にはいれば、水鉄砲で私の顔を狙い撃ちしてくる。
父のおもしろリアクションが見たいだ。
我が家の寝室は、シングルベッドを2つ繋ぎあわせている。
夜寝る前は、私の背中に長女を乗せ、よさこい節を歌わされながらお馬さんをするのだ。
きっと父の胆力と歌唱力を試しているのだ。
私が寝ていると、ベッドの隅から助走をして、ジャンピングニーパッドをかましてくる。
これは父への愛情の裏返しだろう。
さらに私が寝ているとき、でんぐり返しをしながら、かかと落としをしてきた。
映画『クローズZEROⅡ」で、小栗旬がラストボスにトドメをさした技だ。
夜中に叩き起こされて、一緒によさこいを踊らされた日もある。
世界ひろしといえでも、ここまで付き合うのは私くらいではないか。
昨今では運動会が近いせいか、私にかけっこの勝負を挑んでくる。
身の程知らずめ。
父が幼少のころ『神田の黒豹』と呼ばれたのを知らないのだ。
先日は酷かった。
ヨメはお風呂にはいっていた。
長女をトイレにいかせ、私は用事をしていた。
(トイレに行かせている隙に、隠れてアイスを食べていた)
すると、長女が泣きながらリビングへ走ってきたのだ。
トイレへ行くと、無人のなか勢い良く飛び続けるウォシュレット。
どうやら長女は、トイレが終わって便座から降りた後、ウォシュレットのボタンを押したようだ。
無人のウォシュレットは、水の強さが『弱』でも3m近く飛ぶのが分かった。
私は身を呈してウォシュレットを止めた。
服はビシャビシャになったが、私をみる長女の眼は尊敬の眼差しであった。
そんなある日。
長女があまりにも傍若無人なので、波平ばりにカミナリを落とした。
ε=ε=(怒゚Д゚)ノ『ゴルアァァァァ!!』
その日から数日間、私に寄り付かなくなった彡(-_-;)彡
トイレに行くのも、歯ブラシも、夜寝るのもすべてお母さんとなったΣ(゚д゚|||)
長女がへそ曲げるのは構わないが、ヨメの負担をこれ以上増やすわけにはいかぬ。
子育ては難しい。
飴と鞭があって、鞭の使い方を誤ったのだろうか。
友蔵と波平の割合を、9:1から7:3くらいにした方が良いのだろうか。
そもそも3歳児は傍若無人なのだろうか。
子育ては人生修行である。