3歳の長女の運動会。
朝早く保育園に並び、ベストポジションをゲットした。
ここなら撮影もバッチリ。
あとはビデオの押し間違いさえなければ御の字である。
序盤、さっそく長女のかけっこである。
昨年はコースの大胆なショートカット作戦で1位をゲットした。
今年はどうだか。
風の噂によると、3日前の小運動会では、またしてもショートカット作戦で1位だったという。
家で、一人で
『ヨーイ、ピッ』
と言って練習していた長女。
練習の成果はでるのか。
さて長女の出番である。
『ヨーイ、ピッ』
4人が一斉にスタート。
今回は前の子の背中を追いながら、きちんとグランドを1周した。
そして3位でゴール。
1位は逃したが、ちゃんとコースを周れたので、とても褒めてあげた。
まだ競争しているというより、楽しく走っているだけのようだ。
ちなみに一緒に走った4人中2人は男の子であった。
それにしても長女は落ち着きがない。
開会式と閉会式で、一人だけ列から離れてグランドで砂遊びをしているのはうちの長女。
踊りの時間に、一人観客席まで来てピースしているのもうちの長女。
かけっこの待機中、列から遠く離れて夢中でドングリを拾うのもうちの長女。
どうすればもう少し協調性がつくのだろうか。
長女の出番も終わり、運動会も終盤、予想外の出来事が起こる。
私が保護者リレーにでることになったのだ。
赤チームと緑チーム、約20人ずつのリレーである。
ううむ(ーー;)
これはガチで走るのか。
流すのか。
正解はどちらだ?
私は運動会のトラウマがある。
高校のとき、障害物競争での出来事。
6人で走った。
網をササッとくぐり、
平均台をトントントン、
跳び箱をスポンと飛んで、
最後、ゴールテープ手前で後ろを振り返った。
すると、ほかの5人はまだ半分も来ていない。
どゆこと Σ(゚д゚ノ;)ノ
仮説① 高校生にもなって、障害物競争はみんな流して走るものなのか。
仮説② 陸上部だった私が単に速すぎたのか。
説③ 私の組だけ、他の5人が映画部の人だったのか。
俺、ゴッツ浮いてるやん( ゚Д゚)
オレだけ必死やん。Σ(゚д゚ノ;)ノ
トラウマになるほど恥ずかしかった。
それはさておき、保護者リレーが始まった。
私の出番は20人中6番手。
序盤、緑組のバトンミスにより、我が赤組が大幅リード。
私の前の走者たちは、緑組を待つかのようにゆっくり走った。
手を振りながら走っているお父さんもいる。
よし決めた。
ここは60%の力で走る。
私はそよ風のごとく走った。
序盤を走ったお父さんは、みんな流して走っていた。
しかし、終盤になると接戦になり、みんな120%で走っていた。
お約束の転倒もあった。
観客席に突っ込むほど大転倒した人もいた。
アンカー勝負となり、激しいデットヒートの末、我が赤軍は胸の差で敗北をした。
キィーヽ(。>д<)/
悔しい。゚+(σ´д`。)+
走り終え、ヨメのところに戻ると、
『ビックリするほど遅かった。』
と言われた。
キィ―ヽ(。>д<)/
悔しい。゚+(σ´д`。)+゚
顔を真っ赤にして走り、大転倒したお父さんはカッコ良かった。
後悔はないだろう。
彼は私に人生のあり方を教えてくれた。
『走るときは全力で。』
『倒れるときは前のめり。』
流して走った私は、胸にポッカリと穴が開いている。
なんだろう。
この空虚感は。
後悔の波が押し寄せる。
子供に本気の背中をみせる。
とかそんなんゃない。
自分のためだ。
自分のために本気で走らなきゃダメだ。
中島みゆきのファイトという唄で、好きなフレーズがある。
『闘う君の歌を、闘わない奴らが笑だろう。』
という歌詞。
私は少なくとも、笑う側にはいたくない。
常に闘う側にいたかったのだ。
高校のとき、障害物競争を必死で走ったのは、決して恥じる行為ではなかったのだ。
長女はまだ3歳。
赤ちゃんはまだ2ヶ月だ。
走るチャンスはまだまだある。
来年もさらい再来年も走ってやる。
みんながドン引きくらい本気で。
神田のカールルイスといわれた健脚を見せてやる。