きのうスタジオへ行き、３か月を迎えた次女の写真を撮った。
ヨメと義母が真剣に衣装を決め、３歳の長女がそれについてまわる。
私は次女を抱っこしたまま待機である。
衣装が決定。
クマの着ぐるみ１着。
ドレスが１着。
色違いの着物が２着。
合計４着だ。
ちなみに長女が３か月のときは、８着もの衣装チェンジをして撮影し、丸一日の大仕事となった。
撮影後はゲッソリしていたのを覚えている。
今日も、これから壮絶な戦いが始まると思うと、武者震いがした。
まずは着物。
まだ赤ちゃんの次女に着物を着せ、撮影開始。
カメラマンが声をかけたり、足を揺さぶるが、次女は一切笑わない。
そして泣きもしない。
ほかで撮影中に大泣きしている子がいるが、次女はガマン強い。
『素材を活かす』『あるがまま』という意味で
『なにも足さない。』
『なにも引かない。』
という有名なブランデーのCMがあった。
次女もそれにならい、
『決して泣かない。』
『笑いもしない。』
という状態を貫く。
確かに、素の顔でもあるがままでも可愛いけど、もうちょっと笑おうよ。
次女よ。
カメラマンから、早くも
『休憩しましょう』
と言われてしまった。
ヨメが授乳室へ連れていき、一息入れた。
休憩後も眉間にシワを寄せ、口は真一文字に堅く閉ざす次女。
哲学者のような表情である。
人はなぜ産まれ、どこへ行くのか。
などど考えている表情である。
私も声をだし、精一杯次女のご機嫌をとった。
そんなこんなで、なんとか１着目の撮影終了。
次はドレスである。
ここは３歳の長女もドレスを着替え、次女と一緒に写真を撮る。
さすがに長女は女優。
撮影のときはニッコリと笑う。
それに対して次女は仏頂面を続ける。
世界のエネルギー問題のことでも考えているのか。
次女は深刻な顔を続ける。
私はカメラマン以上に精一杯に声をだし、次女のご機嫌をとる。
そんなこんなで２着目終了。
長女が１歳か２歳の頃は、写真を撮るときに私が抱っこしていて、撮影の瞬間わきをくすぐる。
という高等テクニックで、笑顔の写真が撮れた。
しかし、今回はその方法が使えない。
３着目はカメラマンが変わっていた。
この人はなんだか上手い。
撮影のテクニックが上手いというより、場をなごますのが上手い。
次女の頬っぺたをプルプルっと触って、口角が上がるようにポンッと放す。
その動作と次女の顔を見たら、思わず私やヨメも笑ってしまう。
この動作は、次女を笑わすためでなく、周りで見ているママやパパを笑わせるテクニックなのかもしれない。
ママやパパが笑えば、子供は自然と笑うのだ。
コミニュケーションの達人は、決して相手を笑わそうとはしない。
先に自分が笑い、相手が笑いやすい雰囲気をつくり、その場を和ますのだ。
このカメラマンの場合は、次女ではなく、周りにいる私やヨメを先に笑わそうとしているのだ。
たぶん。
結局、次女は大爆笑とまではいかなかった。
でも、後半の３着目と４着目は眉間のしわがなくなり、幾分穏やかな表情だった気がする。
そんなこんなで撮影は終了。
なぜか撮影は毎年ぐったり疲れる。
私が子供の頃の写真は、いつでも坊主に半ズボン。
どこか昭和のかほりがする写真ばかりだ。
こんな綺麗なベベを着ている写真は１枚もない。
時代というやつか。
次女よ。
１歳のときは、衣装に負けない、お姉ちゃんにも負けないとびきりの笑顔を見せておくれ。