人に伝えるときは、なるべく専門用語を省く。
小学生にも解るように。
これが鉄則である。
私の仕事であれば専門用語どころか、どれが『神経』で、どれが『椎間板』で、どれが『靭帯』なのか、一般の方はよく解らないと思う。
ということは、説明ではこのような言葉は極力使わない方が良いのである。
こちらが常識と思っていることを、まず疑うべきでなのだ。
もちろん
『カタルシス』
や
『ナショナリズム』
や
『アイデンティティ』
などなど、カッコいいだけで訳の解らない用語はもってのほかだ。
先日、マスクをして寝ていた。
私は花粉症なので鼻が詰まり、朝のどがカラカラになるのを防ぐためだ。
すると3歳長女が
『お父さんお風邪引いたの?』
と聞いてきたのだ。
『そうだよ。心配?』
と聞くと長女は
『うーん。。。。』
と、反応がにぶい。
父『心配ってわかる?』
長女『うーん。。。』
父『心配ってなに?』
長女『赤いの』
長女『お外で遊ぶの』
長女『さむーいの』
長女『お洗濯干すが』
と、たくさん当てずっぽうで言ったが、悲しいほどどれも当たっていない。
父『エエッ (;゚Д゚) 心配知らんの?』
と聞くと、3歳児はさらに頭を捻りだし、答えた。
長女『てくてく歩いて取りに行く。』
父(それはお芋掘り)
長女『お鼻にいれてクルクルするが』
父(それはティッシュ)
長女『グジュグジュにして食べるが』
父(それはなんだ (ーー?)
父『今日はシンパイ食べた?』
父『今日はシンパイ保育園に持っていった?』
と意地悪な質問をしたら、
長女『うーん。。。』
長女『シンパイってなに?』
と、とうとう聞いてきた。
そうである。
たかが『心配』という言葉さえ3歳児には難しいのだ。
『シンパイ』とは3歳児にとって、大人の使う専門用語なのだ。
逆に言うと、長女にわかるように説明できたら、誰にでもわかるはずだ。
そして『心配』を3歳児に説明するのは、難しい。
『お父さんが風邪引いて、頭痛くないかな~』
『って思うことだよ。』
と説明した。
それから3日後。
もう一回『心配』を長女に聞いてみた。
長女『んーとねぇ。えーとねぇ。』
長女『お父さんがお風邪引いてゴホゴホ言うが。』
長女『ほんでお医者さんのとこ行って、注射するが。』
少し心配とは違う説明だが。
後半は尾ひれがついてはいるが。
父の説明を、一生懸命聞いてくれていたのが分かったので二重丸をあげた。