東京での勉強会。
そこで仲良くなった同僚の先生がいる。
日曜日の朝、必ず一番乗りで会場に突撃していた私だが、その日は彼に先を越されていた。
まだ会場も開いていない。
暇だったので、すっかり彼と話し込んしまった。
その先生はおそらく50歳くらい。
遠く、九州から東京まで勉強に来ているそうだ。
驚きである。
私と同じくらい遠くから来ている人がいるなんて。
ちなみに私は高知から来ている。
と伝えると、彼はビックリしていた。
お互い様である。
さらに驚いたのが、その先生は先月にカイロプラクティックのお店を廃業したそうだ。
廃業したのに、なんでまだ勉強会に参加しているの(・・?
と野暮な質問をした。
失礼だとは思ったが、どうしても答えを聞きたかったのだ。
先生は答えてくれた。
先生は、この業界20年以上のベテランだ。
しかし、先月に九州で廃業した。
今月から鳥取で住み込みの仕事が決まった。
カイロプラクティックとは関係ない仕事だ。
でも勉強は続けて、力を蓄え、お金を貯めて、もう一度地元で開業する。
だそうだ。
彼がまだ20代であればともかく。
50代であろう彼が、もう一度トライするために別の仕事を始め、勉強を続けているのだ。
頭の下がる思いである。
身に染みる話である。
身の締まる話である。
背筋の凍るような話でもある。
人生は敗者復活戦である。
甲子園でも優勝できるのは1チームだけ。
優勝したピッチャーでも、プロで活躍できるのは一握り。
つまり、みんなどこかで敗北を経験しているのだ。
トントン拍子に見える人でさえ、それまでに挫折や苦労を経てきている。
もう一度やる。
というあのガッツがあれば、また日の目をみるだろう。