東京の勉強会にて。
3月に行われた、第30期生最後の講義のとき。
『今後の改善のためアンケートを書いてください。』
と受講生に用紙が配られた。
講師の先生が
『厳しく書いてくださいね。』
と言ったのでジョークだと思い、顔をあげたら先生の顔は笑っていなかった。
本気で言ったのだ。
『この1年間の講義を思いっきりダメ出ししてくれ。』
ということだ。
この人は本気の本気なのだ。
この一言で会場が少しピリッとした。
この一言がなかったら
『とても勉強になりました。ありがとうございました。』
と書いていたかもしれない。
だが、私は用紙にびっしりと自分の思ったことを書いた。
隣の人は用紙の裏側にまで書いていた。
次回、良い講義を行うために、批判も甘んじて受ける。
そんな覚悟を持った人に、自分は教わっていたのだ。
この1年間、素晴らしい講義を受けてきた。
しかし、この講義は過去の厳しいダメ出しを真摯に受け止め、試行錯誤の末に出来上がった講義だったのだ。
こうして第30期の講義は終了した。
4月10日。新年度。
第31期の講義が開幕した。
定員30人のうち、リピート受講した人は7人。
つまり23人は新規受講生だ。
31期はメンバーがごっそり入れ替わったのだ。
前回まで『教えてくれくれ』だった私。
今回からは練習のとき、教える側になった。
私に本気で教えてくれた人達に感謝している。
だから、私も新規の人達に本気で教えた。
そうやって、良い連鎖を生み出していきたい。