海の日に、川へ行ってきた。
ヨメの爺ちゃん婆ちゃんの住む田舎の、すぐ近くの川だ。
川のすぐ横に良い感じの広場があって、まずはそこで前回に続いて長女の自転車の特訓としゃれこんだ。
『習うより慣れろ。』
『考えるんじゃない。感じろ。』
『明日に備えて早く寝ろ。』
『人前で皿は舐めない。』
など、数々の座右の銘を持つ私。
やはり何事も頭で考えるより、慣れが大事だと思う。
そこで、
『とにかく真っ直ぐ前を見て、とにかくペダルをこげ。』
とだけ伝えて長女と反復練習を行った。
出来てないところをすべて指摘するよりも、2つだけポイントを絞って教えた方が上達が早い。
というのが私の経験則。
4つも5つも指摘するとダメだ。
全部出来なくなる。
2つ注意しながらやっていくうちに、他の3つ目4つ目のポイントも自然と改善されていくことが多いのである。
30分ほどして私がバテてきた頃、ヨメが自転車のコーチ役を交代してくれた。
私は2歳の次女と遊ぶ役になった。
次女と遊びながら、自転車組の方に目をやった。
ヨメは何やら長女に説明している。
遠くて聞こえないが、ヨメは理論からはいるタイプらしい。
『ペダルを踏む力が力点Xだとすると、タイヤが動くのが作用点Yで…』
とか言ってるんだろうか。
それから30分後…
きっときっと偶然だと思うが、コーチがヨメに変わってからメキメキと長女は上達し始めた。
長女が自分の力で、風を切って自転車で走る。
走る。
元ソ連の大統領、ゴルバチョフの名言がある。
『私は収穫の時には立ち会わないかもしれないが、今のうちに撒けるだけの種を蒔いておこうと思う。』
なるほろ~
私の蒔いた種が、ヨメにバトンタッチした頃、時間差で咲き始めているのだろう。
きっとそうだ。
私の指導に誤りはなかったはずだ。
長女がそろそろ自転車に飽きてきたので、自転車はお開き。
お待ちかねの川でございます。
娘たちを紐付きの浮き輪に乗せて、川で泳いだ。
去年は足首までしか水に浸けなかった次女も、今年はお腹まで水につけて浮き輪で楽しんだ。
いつの間にか成長している。
そのあと、私は一人でバシャバシャ泳いで、他の3人はシャボン玉を作って遊んだ。
2歳の次女でも、ちゃんとシャボン玉ができるように作られている。
最近のテクノロジーは凄いのである。
ヨメ『見て見て~(o´罒`o)』
ヨメ『シャボン玉が水の上を跳ねていく。ほらほら。』
なんだかヨメが一番楽しそうだった。
シャボン玉に飽きた頃、長女が水鉄砲を持った。
『お父さん、早く~』
『もっとこっちで泳いでや~』
『そうそう。もっとこっち。』
『ほんでこっち向いて泳いで。』
『もっとこっち向いて言うたろ~』
『そうそう。顔だけこっち向いて。』
『泳いで。泳いで。』
私の泳ぐ位置や顔の向きを、細かく指示する長女。
私を泳がせて、しかも私の顔を自分の方に向けさせる。
水鉄砲で私の顔面を集中攻撃するためだ。
水鉄砲で打ちまくってゲラゲラ笑っている。
それを自分が飽きるまで強要してくる。
けしからん。
一体どんなしつけで育てると、こんな子供になるというのだ。
でも自転車を頑張ったので、帰りにアイスを買ってあげた。
長女は誇らしげであった。
次女は爆睡していた。