平昌オリンピック開幕前、NHKのクローズアップ現代という番組で、たまたま小平奈緒選手のインタビューをみた。
それから一気に彼女のファンになってしまった。
番組は最先端の科学で計算されつくしたスケートのフォームや、練習プランを特集していた。
だが、私が注目したのは小平選手からでてくる言葉だった。
彼女の言葉一つ一つから、彼女の歩んできた軌跡、彼女の人格にまで垣間見ることができた。
『スピードスケートは相手との駆け引きのスポーツではない。』
『自分と向き合い、自分の力を出し尽くすスポーツ。』
『自分の力を出し切ったうえで、ライバルがそれを上回ったのなら。後悔は無い。』
そこまで割り切れるほど自分の滑りに集中するのが小平選手。
4年前、彼女は
『金メダルを獲る。』
と連呼していた。
結果は5位。
今回は決して金メダルを口にせず、自分の目指す究極の滑り1点に集中した。
ソチでオランダ勢に惨敗し、単身オランダへ武者修行に。
コーチには
『日本での取り組みが間違っていない。』
という答えを得るだけでも行く価値がある。
と背中を押されたという。
オランダではスケートフォームの改善を行った。
今まで重心をなるべく低くして、空気抵抗を減らすことに専念していた。
それをオランダでは、もう少し体勢を上げて、股関節の可動域を広く使えるようにした。
だが、オランダ勢とはそもそも体格げ違う。
オランダ人と同じフォームへ改善しても、記録は伸びなかった。
そこから試行錯誤し、上半身はオランダ勢のようにやや上体をあげ、下半身は韓国選手のように重心を低くした。
そこから、小平はW杯15連勝を皮切りに爆進を続け、オリンピックに望んだ。
平昌オリンピックでの結果は皆さんの知るところだ。
試合中は獣のような勝負師の厳しい目。
試合後はキラキラと澄んだ瞳をしているのが小平だ。
こんなに目が輝いている人はそういない。
小平曰く
『自分で行動に移すことそのものが、正しい自分の人生の道なのかなって。』
この言葉はグッときた。
挑戦して、失敗して、挑戦しては失敗。
そんな積み重ねのなかで、前へ進んでいき納得のいく人生を歩んできた人の言葉だ。
なにか新しいことを始めたら失敗も多い。
でも新しいことを始めて失敗することで、従来の方法が正しかったと納得できたなら、前よりも真摯に従来の方法に向き合えるのではないか。
そんな彼女の生きざまに関心してしまった。
小平奈緒さんが私と同じ仕事を始めたら、あっと言う間に抜かれてしまうんじゃないか。
そう思えるほど、彼女の努力と研究心は突出しているのだ。
極限の滑りへの挑戦。
これは金メダル以上に険しい高い山だ。
私も忘れかけていたけど、究極のカイロプラクティックを目指していたのだった。
小平選手に負けないよう究極を目指して走っていくぜ。