通学路

 

長女が4月から晴れて小学生となった。

 

 

我が家から長女の小学校まで、距離にして1km弱。

 

 

それもほぼ一本道。

 

 

簡単なルートだが、うちは3月にここへ引っ越してきたばかり。

 

 

さらに、うちの子は箱入りで一人で外を歩かせたことがない。

 

 

当分は私が付き添って歩くこととなった。

 

 

 

  

 

 

自宅からほぼ一本道なのに迷う長女。

 

 

 

車が来て、足を止めて左右確認をしている間に、どっちが進行方向か分からなくなるのだ。

 

 

これを見ていると、『初めてのお使い』はあと10年くらい先になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

校門の手前で長女の防犯ブザーが鳴った。

 

 

たぶん、長女の手がスイッチに当たった。

 

 

長女は防犯ブザーが止められず慌てる。

 

 

 

交差点にいた交通安全のおじさん達が、一斉にこちらを見る。

 

 

今にもこちらへ走ってきそうな勢いだ。

 

 

 

 

わ・・分かるよね。みんな。

 

 

私は人さらいじゃないよ。

 

 

こんな端正な顔立ちの人さらいはいない。

 

 

お構いなくて結構よ。

 

 

 

 

 

 

そんな事もありつつ。

 

 

長女は徐々に危なげなく歩くようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は学校の玄関まで。

 

 

 

慣れたら校門まで。

 

 

 

次は交差点まで。

 

 

 

 

少しずつ付き添う距離を縮めていった。

 

 

こうやって、少しずつ私の手を離れて行くのだろう。

 

 

 

 

 

『親という字はどう書くか知っていますか?』

 

 

『子供の帰りが遅いと木の上に立って子供を見つめる、書くんですよ。』

 

 

と武田鉄矢が101回めのプロポーズで言っていたが。

 

 

 

その通りだ。

 

 

帰りじゃなくて、通学なんだけど。

 

 

 

バイバイした後も、心配で心配で気づかれないように後ろからずっと見てしまう。

 

 

 

ここに木があれば、登って長女を見守りたいくらいだ。

 

 

 

 

 

やはりこの場面でも、子離れよりも親離れが早い。

 

 

『お父さん、早く一人で小学校行きたい~。』

 

 

だってさ。