『ええ〜。お父さん来れんが〜』
キィィ━━━ヾ(*`⌒´*)ノ━━━ィィ
長女が小学校に入学して初めての運動会。
私が運動会を見に行けないのを、長女は前日のお風呂で知った。
私が運動会に行けないのは初めてだ。
長女『なんで来れんが〜?』
長女『お仕事お休みします。って言うたらえいやんか。参観日も途中で帰るし。発表会も途中でおらんなっちゅーし。』
『そんな事言うたち、第2土日に東京へ勉強に行きゆうき、これ以上土日は休めんがぜよ。そもそも小学校の入学式が4月の上旬で年間の行事予定を貰ったのが4月下旬で、その時点で5月の予約は入っちゅうやんか。』
と言いたかったが、私は黙って長女の罵声を浴びた。
長女はかけっこの練習ではいつも1番だそうだ。
今回は1番をとる自信にみなぎっている。
だからなおさら観に来てほしいのだ。
年を追う毎に、運動会や発表会を観に行くのが大変になる。
たしかに発表会を途中で抜けて東京に行ったこともある。
今回からは長女と次女が、小学校と保育園に別れたから両方行くのは更にハードルが上がった。
保育園は午前中だけだが、小学校は午後もある。
考えた末に、私は苦渋の決断をくだしたのだ。
でも、プログラムをみる限り、長女のかけっこは丁度お昼休みくらいの時間帯。
お店から小学校までは自転車で4分半あれば行けるから、運が良ければ見れるかもしれない。
『かけっこは見に行けるかも』とだけ伝えた。
運動会当日。
お昼休み。
私はダッシュで昼ごはんをたべ、小学校へ自転車を飛ばした。
到着してすぐ嫁さんからメールがきた。
『次の次がかけっこです。』
間に合った。
ちょうどかけっこのゴール地点に、嫁さんは陣取っていた。
かけっこが始まった。
インコースの赤組。
情報はこれだけ。
スタート地点は私がいる場所の反対側なので、スタート時点ではさっぱり顔がみえない。
ここで問題が発生。
ゴール地点のところが選手の入場門になっていて、次の種目の選手が集まりだした。
ますますかけっこが見えなくなった。
私は急いで移動してビデオを回した。
レンズ越しだとなおさら誰だか分からない。
ゴール地点でようやく長女らしき人物を発見。
ゴール手前で追い抜かれて3位。
男女混合で走って、6人中3位だ。
一生懸命走っていたのがレンズ越しに見えた。
ε=ε=ε=ε=ε=┏( >_<)┛
1番とれなくって落胆しているかと思いきや、席に戻って隣のお友達と楽しそうに喋っていた。
長女が楽しそうだったから、私も嬉しかった。
一生懸命走ったから花マルをあげよう。
メチャクチャ無理て来たけれど、長女の勇姿が見れて良かった。
見に行って良かった。
仕事を終えて家に帰ると、いつものように長女はソファの隙間に隠れていた。
探さないと怒るし、見つけても怒る。
頃合いを見て
ジャーン\\\\٩( 'ω' )و ////
と自分から登場する。
だが、今日はいつまで経っても登場しない。
私は次女と先にお風呂へ入ってしまった。
次女がお風呂から出ても、まだ長女がお風呂にはいってこない。
こんな事は初めて。
なんとなく、私は察しがついていた。
長女がようやくお風呂にはいってきた。
いつもは喋り倒しの長女が黙っている。
かけっこで1番になれなかったから、バツが悪いのだ。
私『今日お父さんも見に行っちょったがで。』
長女『知っちゅうよ~。』
私『かけっこ3位やったね。』
長女『知っちゅーよ。』
私『一生懸命走りよったね。お父さんはちゃんも見よったで。』
長女『・・・・。』
長女はうつむいている。
私『お友達と楽しそうに喋りよったね。』
長女『・・・・。でもね・・・。』
長女『ホントは悔しかったが。』
"(ノ_・、)"
私『そっか。じゃあ次は勝てるように頑張ろうね。』
長女がやっと顔をあげて、うん。と言った。
保育園の年長では、練習でいつも勝てなかった子に本番で勝った。
今回は逆だった。
勝つ喜びも、負けた悔しさも両方知っておいた方がいい。
どちらを味わうのも、一生懸命であればあるほど学びがある。
また一つ、長女は大きくなって帰って来た。