大きなかぶ

 

 

小学1年の長女には、本読みの宿題がある。

 

 

毎日聞いているうちに『おおきなかぶ』のストーリーを私も覚えてしまった。

 

 

正確に言えば、私も小学校の時に習ったのを思い出した。

 

 

このシンプルなストーリーが、なぜ何十年も教材として使われているのか。

 

 

 

 

 

ストーリーを説明すると、

 

 

庭に大きなかぶができていて、とてもお爺さん一人では引っ張っても株は抜けない。

 

 

そこでお婆さんを呼んで来た。

 

 

お爺さんはかぶを引っ張り、お婆さんはお爺さんを引っ張り、

 

 

さらに、引っ張る人と動物が増えていく。

 

 

 

孫はお婆さんを引っ張り、

 

 

犬は孫を引っ張り、

 

 

ネコは犬を引っ張り、

 

 

ネズミはネコを引っ張る。

 

 

そして、ようやくかぶが抜けるのだ。

 

 

 

 

 

 

大きなかぶにでてくるお婆さんは、なぜかぶを引っ張らずにお爺さんを引っ張ったのか。

 

 

孫がお婆さんを引っ張っても 、かぶにはほとんど力が加わらないだろう。

 

 

作業力学的には、全員でかぶを持って引っ張った方が効果的である。

 

 

 

 

 

私も小1のとき、国語の時間に大きなかぶはを授業で習った。

 

 

先生が、

 

『こんな大きなかぶがあったら皆さんはどうやって取り出しますか?』

 

 

と質問した。

 

 

 

 

誰かか言った。

 

 

①株の周りに水を撒いて、

 

 

②土をグジュグジュにほぐして

 

 

③スコップで株の周りを掘って

 

 

④かぶを取り出す

 

 

小1ながらに、こいつは天才だと思った。

ォオ~!!(゚Д゚ノ)ノ

 

 

 

 

 

 

私はせいぜい、

 

 

『ネズミではなく隣のお爺さんを呼んでくる。』

 

 

という結論にとどまった。

 

 

 

水攻めを考えた彼と私では、3学年分くらいの差があると驚愕して、今でもこの日の授業を覚えているのだ。

 

 

 

なるほど。

 

 

シンプルなストーリーだからこそ、そこから派生していろんなことを子供に想像させられるのだ。

 

 

だから長年教材として使われていたのである。

 

 

 

 

 

 

長女の国語の宿題で、

 

 

『かぶが抜けた時、お爺さんはなんと言ったでしょうか?』

 

 

という問題があった。

 

 

もちろん正解はいく通りもある。

 

 

 

 

 

長女は何度も消しては書き、消しては書き、やっと答えを書いた。

 

 

『やった。みんなのおかげで、かぶがぬけたぞ。』

 

 

なるほど。

 

 

模範的な回答である。

 

 

 

 

 

現実的に考えたら、お爺さんのコメントの選択肢はもっとある。

 

 

『今夜はかぶ料理だ。』

 

 

『婆さんや。おすそ分けするから、リストを作りなさい。』

 

 

『次はこんなに大きくなる前に抜こう』

 

 

『インスタに載せるから、みんなかぶの前に並びなさい。』

 

 

『次回はもっと楽に抜けるよう、いまから反省会じゃ。』

 

 

『婆さんや、クックパッドでかぶの・・・』

 

 

 

 

うーん。やはり長女の回答が一番素晴らしい。

 

 

まずは、みんなをねぎらう。

 

 

話はそれからだ。