今まで娘たちを連れて行っていた小児歯科は、なんだか説明が曖昧だった。
例えばこうだ。
3歳の次女に虫歯があったのだが、
『3歳だからまだ治療を怖がると思います。』
『一旦怖がるともう治療できなくなるので、お薬を塗って当分様子を見ましょう。』
うーん。
当分っていつまで?
虫歯を放置しといて進行しないの?
お薬はどれだけ効果があるの?
今の段階でなにか方法はないのか?
などなど、疑問が渦巻く。
そうこうしている間に、近所にデッカい歯医者ができた。
なんだか繁盛している。
20〜30台ある駐車場はいつもギッシリだ。
やはり商売人として、繁盛しているお店に行く。
というのは鉄の掟だ。
ケーキ屋さんでも、美容室でも、歯医者でも、居酒屋でも、繁盛店にいけば、なにかしらヒントがあるのだ。
さて、新しい歯医者にお子ちゃまたちを連れてきた。
結論から言うと、次女の虫歯はすぐ治った。
1回目は歯の治療道具で、水を出したり吸い込んだり見せて怖い道具だという警戒を解いた。
2回目でほぼ虫歯はなくなった。
3回目は着色汚れのお手入れをした。
あとはちょくちょくメンテナンスに通えばOKだ。
次女が治療ベッドに寝ると、天井に液晶テレビがあって、好きなアニメが見られる。
これがあれば終始お利口にして口を開けて寝ている。
治療が終わってもまだ粘って、トムとジェリーを見る。
次女はトムとジェリーを楽しみに歯医者へ通うのだ。
前の歯医者のままなら、まだ虫歯を放置したままだったのだ。
『3歳だと怖がるから治療できない。』
そこから、前の歯医者は何一つとして策がなかったのが寂しかった。
もし次女が歯を削る器具を怖がるなら、歯ブラシ型の磨くだけのやつで試してみるとか。
本当に次女が怖がるかだけでも、試してみてほしかった。
今となっては、そういう不満の積み重ねで新しい歯医者に変えてよかったのだが・・・。
こんなとき自分の仕事に置き換えて考える。
自分は無理だと決めつけて、思考を停止していないか。
ちょっとした工夫や発想の転換で、出来るんじゃないか。
そのちょっとした工夫や気配りで、お客さんは感動したりガッカリするのだ。
やはり繁盛店に来ると、学ぶことが多い。