15級

 

ある日、家に帰ると晩御飯が赤飯だった。

 

 

テーブルには鯛まで並んである。

 

 

一体なにがあったのか。

 

 

なにか、とんでもなく良いことがあったに違いない。

 

 

 

 

 

私の40歳の誕生日だったか?

 

 

いや違う。誕生日は2月だ。

 

 

 

長女が『働くお父さん』の作文で審査員賞をとったか?

 

 

次女がドラえもんカレーのCMに抜擢されたのか?

 

 

 

違う。

 

 

もっと心が震えるような出来事だ。

 

 

 

 

 

 

長女がある紙を見せてくれた。

 

 

『ほらぁ、見て~』

 

 

小学1年になり、夏から通い始めたスイミング。

 

 

『15級合格』と書かれてある。

 

 

 

 

 

前回は合否の欄に『がんばりました。』と書かれてあった。

 

 

これはもちろん『合格ではない』という意味なのだが。

 

 

長女は『がんばった』とお褒めの言葉を頂いたと思い、純粋に喜んでいた。

 

 

相変わらず健気な子である。

 

 

今回は『15級合格』と大きく書かれてある。

 

 

長女の喜びは爆発だ。

 

 

 

 

 

1級から15級に昇りつめたのではない。

 

 

『級なし』から『15級』に上がったのだ。

 

 

バタ足で12.5m泳げれば15級。

 

 

クロールで12.5m泳げれば14級

 

 

次は背泳、その次は平泳ぎができれば級は上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

同じ時期にスイミングへはいったお友達が、続々と15級に上がっていくなか、長女はなかなか上がれずにいた。

 

 

それが今日、合格したのだ。

 

 

もちろん喜びは爆発だ。

 

 

 

 

 

 

長女と何度もハイタッチした。

\(#´▽`)人(´▽`#)ノ

 

 

長女は誇らしげであった。

v(*'-^*)b

 

 

長女はドヤ顔だった。

((┓( ̄∀ ̄)┏))

 

 

 

 

 

 

スイミングの同級生で、もう県内で優勝して全国大会にでている子もいる。 

 

 

喜びの度合いなら、長女はその子に負けていないはずだ。

 

 

喜びの度合いなら、うちはどこの家族にも負けない。

 

 

食卓に並ぶ料理をみたら、嫁さんの喜び度合いもひしひしと伝わってきた。

 

 

この日はみんなで幸せな気持ちになった。

 

 

 

 

長女よ。

 

 

 

こうやって達成感を栄養にして、大きくなるんだ。