2018年。
私は焦っていた。
自分の理想とするカイロプラクティックが全然できていないのだ。
理想には程遠い。
こんな事を言うと、ご謙遜だと思われるかもしれない。
私の事をカリスマの先生だと信じて来店している人には心苦しいが、現実は違う。
毎日もがいている。
羽生結弦くんが、世界最高得点を叩き出しておいて
『まだ自分の理想とするスケートが出来ていません。』
と言うのとは訳が違うのだ。
今年完成させるはずだったある矯正が、とうとう完成しなかった。
最終日まで、時間の許す限りトライしてみたがダメだった。
『本当に全然ダメだ。俺もうすぐ40よ?』
『大丈夫か?おれ。』
という焦りがあった。
その焦りから、深夜まで練習して、なんとか正気を保っていた。
寝ている間も頭の中は練習していた。
手が『ビクンっ』と動いて、夜中に目が覚めることも何度かあった。
期末テストなのに一個も回答が解らない、という夢も何度か見た。
努力しているから、出来ていない自分を肯定する。
というのも嫌だった。
プロなんだから、努力ではなく結果で応えたい。
なぜ私がこんなに技術にこだわるか。
嫁さんにチラッと話した事がある。
誤解がなく伝わる事を願って書くが。
私のモチベーションは、目の前の患者さんの笑顔ではなく、技術の完成に向かっている。
例えば、目の前の患者さんが
『先生、楽になりました。(*´꒳`*)』
と言ってくれれば、確かに嬉しい。
でも、それより嬉しいのは、技術が上達したときだ。
技術が上達すれば、目の前の一人ではなく、これから出会う1000人も救える。
そう信じている。
だから、練習どおり矯正が上手く出来たら、嬉しくて涙ぐんでしまう。
実際にお客さんをうつ伏せにしている時に、涙ぐんでしまう時があった。
もうすぐ40だ。
描いていた40歳の自分に追いついていない。
このペースで天下統一まで出来るのか。
焦るぜ。
10年後。
私は羽生くんくらいのスターにはなっている予定だ。
カイロプラクティック界の貴公子なんて呼ばれてたりして。
その上で
『まだまだ完成は遠いぜ。』
なんてボヤいていたい。