『お父さん、ならべコンサートしよう♪』
ならべコンサートとは、4歳の次女が考案したトランプのゲームだ。
うちのトランプはサンリオのトランプである。
表側に数字やマークとともに、キティやケロッピ、マイメロリーなど、52種類のマイメロのイラストが描かれている。
ならべコンサートのルールは、ビックリするほどシンプルだ。
トランプを2人分に分けて、かわいいイラストを交互に出し合って並べていくのみだ。
数字もマークも関係ない。
このゲームには奪い合い、争い、勝敗、駆け引きすらない。
ワクワクやスリルも一切ない。
遺恨も残らない。
まさな神のような平穏な心の持ち主のみ、楽しめるゲームだ。
ならべコンサートをテーブルでしていて、長女がそこへお茶をこぼした。
長女が急いでトランプを拭くと、トランプの並びがバラバラになり、次女が劣化のごとく怒った。
まさか、ならべコンサートで喧嘩になるとは。
次女は手足をバタバタさせて、奇声を発して怒った。
。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
私が落ち着かせようとすると、さらに火に油で、怒りがおさまらない。
嫁さんはお風呂だ。
私がなんとかせねば。
私や長女を見ると興奮して怒り狂うので、次女を少し別の部屋へ移動させた。
しばらくすると、頭が冷えたようで泣き止んだ。
だが、ドアを開けると
『プンッ (((  ̄3 ̄)』
と言ってソッポを向く。
この状態で話しかけるとまた噴火する。
もう少し。
待つのみ。
時間が解決する。
そのうち、次女はドアを指一本分だけ開けて、すき間からリビングの方をジーっと見ている。
家政婦は見た状態だ。
私と目が合うと、サッとドアを閉じる。
寂しくなってきたけど、まだ素直になれない時間帯だ。
女って難しい。
まだ話しかけてはダメだ。
絶妙なタイミングがあるのだ。
しばらくして。
今度は顔半分くらいドアを開けて、こっちを見ている。
これはもう『迎えに来て』のサインだ。
私はスーッとドアを開けて両手をひろげた。
次女も両手を広げた。
抱っこしての合図だ。
同時に仲直りの合図でもある。
私はいっつも叱り過ぎたと反省する。
次女も暴れ過ぎたと反省しているのだろうか。
ならべコンサートをまたやろう。
喧嘩しないように。