デイサービス

 

先日、家族で4人で、田舎に住む爺ちゃんに会いに行ってきた。

 

 

嫁さんの爺ちゃんだ。

 

 

うちの子供達からしたら、曾祖父となる。

 

 

もう90歳だ。

 

 

 

 

 

最近、昼間はデイサービスに来ているようで、そこへ会いに行った。

 

 

デイサービスとは・・・

 

 

施設に入所せず、昼間に日帰りで利用できる通所介護サービスのことである。

 

 

 

 

お客さんで、介護師の方で、

 

 

『病院じゃなくてデイサービスで働いています。』

 

 

という方は沢山いるけど、デイサービスってどういうものか知らなかった。

 

 

 

 

 

デイサービスに到着したのはお昼過ぎ。

 

 

嫁さんの爺ちゃんが施設の外まで出てきてくれて話をした。

 

 

なかなか元気そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

スタッフの方が中に入っても良いと言ってくれたので、施設のなかに入らせてもらった。

 

 

ドキドキのデイサービスデビューである。

 

 

施設の広さは30畳ほどだろうか。

 

 

食堂のような雰囲気で、長机がいくつかあって、そこにお年寄りの方々が20人ほど座っていた。

 

 

ちょうど、みんなでカラオケを洒落込んでいた。

 

 

 

 

 

 

『俺とお前は~  同期の桜~♩』

 

 

若輩者の私にはなんという歌かは分からないが、カラオケのモニターには、軍服の人たちが写っていた。

 

 

きっと軍歌だ。

 

 

 

 

なるほど。

 

 

最近の歌ではなく、みんな自分が青春時代に聞いていた歌を唄う。

 

 

私も同じだ。

 

 

20年前から聞いている歌がほとんど更新されていない。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、嫁さんのお爺ちゃんが、スタッフさんに勧められて歌っていたのは

 

 

名曲『さざんかの宿』

 

 

『愛しても愛しても~   あぁ他人の妻♬』

 

 

『燃えたって燃えたって~♩   あぁ他人の妻♩』

 

 

なかなかエッジの効いた歌詞である。

 

 

有名な歌だが、歌詞を聞いたのは初めてだ。

 

 

 

 

 

 

50年後。

 

 

私がデイサービスに通う頃は、どうなっているのか。

 

 

 

 

じゃあ、あきら爺ちゃんに十八番を歌ってもらいましょうか。

 

 

尾崎豊で『アイラブユー』

 

 

てな感じか?

 

 

 

または

 

 

渡り廊下走り隊7で『初恋ダッシュ』

 

 

とか90歳になった私が歌っているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

うちの子達が、スタッフの方にカラオケを歌うようリクエストされた。

 

 

スタッフ『お嬢ちゃんも歌ってよ。』

 

 

スタッフ『パプリカはどう?ダメ?ダメかぁ。』

 

 

 

 

子供達は恥ずかしがってダメだった。

 

 

車の中では、あんなにやかましく歌うのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爺ちゃんは、もうきっと私の名前も覚えていない。

 

 

次に会う頃は、私が誰なのかも分からないかもしれない。

 

 

 

でも、また来るぜ。爺ちゃん。

 

 

元気な娘たちを連れて。