キッザニア早朝

 

甲子園すぐそばにあるホテルにて。

 

 

早朝5時に起きた。

 

 

起きたというより、あれから眠った記憶がない。

 

 

昨晩はいつもより早く寝たせいで、夜中に目が覚めてしまい、それから全く眠れなくなったのである。

 

 

眠ったのだと私は自分に喝をいれた。

 

 

 

 

 

今日はキッザニアの日である。

 

 

キッザニアは子供達がお仕事体験をできる施設だ。

 

 

人気のお仕事を体験するためには、朝早くから並ばねばならない。

 

 

 

 

 

 

子供たちはこの日、『寿司』と『ピザ』という、キッザニアでも人気トップのお仕事体験を制覇するという計画をたてていた。

 

 

少しでも早く並ばねば。

 

 

 

 

 

 

この日、甲子園周辺は強風・波浪・雷注意報がでていた。

 

 

 

私はホテルからタクシーでキッザニアまで行く計画であった。

 

 

フロントでタクシーを呼んでもらう。

 

 

 

フロントの人がいくつもタクシー会社に電話している。

 

 

・・・なんだか雲行きが怪しい。

 

 

『申し訳ございましぇん。この時間はあいにくタクシーのご予約がとれるところがないようです。』

 

 

早朝5時半にタクシーはつかまらなかった。

 

 

 

 

 

 

このとき私の脳裏には、北の国からのイントロが流れていたわけで

 

 

 

 

父さん、人生というのは思い通りにはいかないものであり

 

 

計画の変更が必要だと思われ・・・

 

 

 

 

 

ダッシュでホテルを出たが、強風により2秒で傘が潰れた。

 

 

この日、早朝の風速は10mだったそう。

 

 

そもそも、今日キッザニアは営業しているのかとさえ心配になってきた。

 

 

 

 

 

 

父さん、僕はいま強風と豪雨のなか、

 

 

傘もなく走っているわけであり

 

 

 

 

 

起きてすぐ寝癖を直したのですが、そんな必要はなかったわけで

 

 

故郷を離れ、甲子園の横を早朝から走っているのであり

 

 

 

 

 

その苦労が報われ、5番という好位置をゲットできたと思われ

 

 

子供たちは無事に、ピザ屋の体験ができそうなわけで