高岡町にある、新緑地公園へ行ったときの出来事だ。
その日は駐車場が満杯で、少し離れた第2駐車場に車を置いて、階段を登ってやっと公園だ。
娘2人は階段を走って登り、すぐに公園の何処かへ消えて行った。
アラフォーの私は、やや遅れて公園に到着・・・
した瞬間、我が眼を疑った。
顔面血だらけの少年(5歳くらい)が、両手で顔を覆って座っている。
私はビックリして、すぐにリュックからティッシュをだして顔を拭いた。
私『だだだ・・大丈夫?』
Σ( ̄□ ̄;)
少年は走って派手に転んで、コンクリの角にぶつけて顔面が血まみれになったのかと思った。
なぜそう思ったかというと、自分が子供の時に、走って派手に転んでコンクリの角にぶつけて顔面が血まみれになったことがあるからだ。
だが少年は重症ではなく、とてつもない量の鼻血がでているだけだった。
ティッシュがなく、鼻を両手で覆うように押さえていたわけで、両手顔面ともに血まみれだ。
私『お母さんは?』
少年『お父さんと来た。ティッシュを取りに行った。』
そこへ少年のお兄ちゃんが走ってきた。
兄『すみません。ありがとうございます。』
小学4年か5年のお兄ちゃんは見た目はヤンチャだが、礼儀正しかった。
お兄ちゃんと一緒に鼻血を拭いた。
それにしても、これだけ鼻血が出ているのに周りの大人が知らんぷりだなんて。
世知辛い世の中だ。
そう思っていると、箱ティッシュを持っておじさんが助太刀にきた。
助かる。
私の2つ目のポケットティッシュも底をつくところだった。
私『ありがとうございます。』
おじさん『ありがとうございます。』
私とおじさんは一心不乱に鼻血を拭いた。
ウェットティッシュも持っておけば良かった。
おじさん『ありがとうございます。』
私『ありがとうございます。』
おじさん『あの・・・ありがとうございます。』
私『あ・・ありがとござます。』
おじさん『・・・ありがとござすっ。』
私『ありがとござすっ。』
おじさん『あざすっ!』
私『あざすっ!!』
助っ人のおじさんは、なぜか私に『あざす』と
連呼してくる。
不思議な人だ。
それかテンパり過ぎだ。
私も思わず『あざす』と返す。
おじさん二人が『あざす』と交互に言い合いながら、鼻血を拭いているカオスな光景だ。
おじさん『この子、よく鼻血がでるんですよ。』
私『あざすっ!!』
んん?
テンパっていて気付かなかったが・・・
助っ人のおじさんは少年のお父さんだったのだ。
私が助っ人側だったのだ。
おじさんの
『ありがとうございます。』
は感謝の御礼と共に、もうお引き取りください。
という意味だったのだ。
それに対して、
『ありがとうございます。』
とおうむ返ししてくる私こそ、不思議な人だったのだ。
私は正義のおじさんから、変なおじさんに格下げとなった。
私はテンパって
『助かりました。ありがとうございました。』
『じゃあ後はよろしくお願いします。』
と丁寧にお礼を言いながら、その場を去った。