私の髪をカットしてくれている、ある美容師さんに聞いたお話。
むかし、美容室はもともと個人経営でやっているお店が主体だったそう。
それが現在では大型店、チェーン店が主流となってきた。
カットをする人がいて、新人がシャンプーやパーマを担当して、受付や会計も担当のお姉さんが行う。
分業して効率化が進んでいるのだ。
新人をまとめて教育してくれる部署もあったりして。
スケールが大きいと、事務も人事も教育も現場以外で行われるのだ。
私が通っている店なんかは、駐車場30台、スタッフも10人くらいいる。
さらにさらに、建物内に託児所があり、保育士が3人常駐しているそうな。
託児所はお客さんはもちろん、スタッフも子供を預けられるのだ。
なんという規模だ。
Σ(゚д゚lll)ガーン
大型店舗が増えた背景には、経営的な要素も多い。
個人で店を構えて、備品をすべて揃えるのはかなり出費がかさむ。
集客にしても、ネットのホットペッパーで上位表示されるには、月々40万円くらいかかるらしい。
とても個人では出せない金額だ。
うーむ。
治療院業界は他の業界より20年は遅れていると言われている。
実際はもっと差があるようだ。
もちろん私のお店には、託児所なんてない。
治療院業界は、経営も接客も新人教育も、ほぼ現場の先生のマンパワー(個人能力)に委ねられている。
システム化合理化には程遠い。
では美容業界の未来はどうか。
さらに変化しつつあるそうだ。
これからは『箱貸し』の時代になるという。
箱というのはお店の建物を表す。
箱貸しとは、独立した美容師が建物だけを間借りして、売上の半分を建物のオーナーに支払うというもの。
イオンとテナントの関係みたいなもんかな。
でっかい美容室のなかにブースがたくさんあって、10人くらい独立した美容師たちがカットしているわけだ。
もちろん備品はすべて揃っていて、受付のお姉さんもいる。
美容師同士はお互い干渉せず、新人の教育をする必要もない。
美容師さんはカットやパーマなど、美容師業だけに専念できる環境だといえる。
現在の大型チェーン店の問題点は、スタッフの独立にあるそうだ。
一人前になった美容師はやはり独立を目指す人が多い。
せっかくの大型店舗があっても、人材を確保するのが難しいのだとか。
独立した美容師もやはり、店舗やら機材やら広告費の出費に苦しむ。
その双方の穴を埋めるのが『箱貸し』だ。
治療院業界でも、都会なら店舗をシェアしてやっている人もいる。
なんせ都会の駅前一等地ともなると、個人で借りれる家賃ではないそうで。
大手のマッサージ店なんかだと、完全歩合でやっている人が多いから、箱貸しに近いとも言える。
従業員といえども完全歩合制であれば、一人ひとりが半分は独立していると言えるのではないか。
カイロプラクティックは先生によって、使うテクニックも、備品も、時間も料金も違うから、パッケージ化して売るのは難しいかもしれない。
でも、
『カイロの裾野をひろげる』
『高知でカイロを広める』
というのを考えたら、箱貸しというアイデアはなにかヒントになりそうだ。
昭和は個人店舗
平成は大型店舗
令和は箱貸し
といったところか。。。
なんと。Σ(゚д゚lll)ガーン
私はまだ昭和の真っただ中にいるではないか。
大型店舗とまではいかなくとも、いつか受付のお姉さんを雇って、施術だけに専念できるようになれば良いな。