脳の勉強

 

2020年のテーマ。

 

 

それはタイトルの通り、脳の勉強である。

 

 

 

 

 

うちの患者さんで、とても酷い腰痛の方がいる。

 

 

矯正のベッドに横たわることも、うつ伏せもになるのも毎回困難である。

 

 

仰向けから起き上がるのには特に辛そうで、毎回何分もかかる。

 

 

 

 

しかし、背骨や骨盤を触診しても、殆ど異常が見当たらない。

 

 

神経の測定器をあてても異常が見当たらない。

 

 

レントゲンを撮っても、殆ど異常が見当たらない。

 

 

私は悩んだ。

 

 

今までと違うアプローチが必要だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

小学2年の長女に、

 

 

『いまお父さんは、新しい治療法を探しているんだ。』

 

 

と告げると

 

 

『じゃあ、私が教えちゃお。』

 

 

『手をグーにして、ここでグリグリ押したら気持ちえいがで。』

 

 

とアドバイスをくれた。

 

 

 

長女よ。ありがとう。

 

 

でもお父さんは、もっと上のステージで勝負しているのだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物事を解決するには、『なぜ』を追及していく必要がある。

 

 

 

なぜ腰が痛くなる?

 

 

この腰の筋肉が緊張してるから

 

 

 

 

じゃあ、なぜこの筋肉が緊張する?

 

 

骨盤がゆがんでるから

 

 

 

 

じゃあなぜ骨盤がゆがむ?

 

 

神経に問題が起きているから

 

 

 

・・・いま自分はこの段階にいる・・・

 

 

 

そろそろ次のステージにいかなくては。

 

 

もっと生命の根幹となるようなものがあるはずだ。

 

 

 

 

ひょっとして、それが見えてくれば自分が次世代のエースになりえるとも思った。

 

 

胸が躍った。

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあ、なぜ神経に問題がおこるか?

 

 

原因の原因の原因の原因の・・・・

 

 

そのまた原因はなにか。

 

 

寝ても覚めても考えた。

 

 

お風呂でもジムでも走りながらでも考えた。

 

 

 

 

 

 

頭打ちになると、お払いや信仰に傾倒してしまう人がいるのが治療院業界の恐ろしいところである。

 

 

私はお払いではなく、脳の勉強を始めた。

 

 

脳と腰痛との関連書籍や、DVDを買い漁った。

 

 

 

 

 

 

 

2011年、カナダ・マギル大学の研究チームが、慢性腰痛の原因が脳の『DLPFC』の衰えだと発表した。

 

 

DLPFCは、『痛みの回路』の興奮を沈める役割がある。

 

 

痛みへの強い恐怖心があると、DLPFCが働かなくなるそうだ。

 

 

うちの患者さんで、カイロの矯正を極端に怖がる人がいる。

 

 

当然なかなか成果がでない。

 

 

改善することよりも、悪化への恐怖心が上回るのだ。

 

 

 

なるほど。

 

 

このケースの人はDLPFCが働いていない。

 

 

ネガティブな人の治りが悪いのは、治療家ならみんな知っている事実だ。

 

 

 

 

 

 

オーストラリアでは、腰痛に関する誤解を解くCMを流すだけで、国民の腰痛に関する医療費が2割減少した。

 

 

『腰痛を恐れるな』

 

 

『腰痛になった時は、安静よりもできる範囲で動かそう。』

 

 

という類いのCMだ。

 

 

国民の医療費が2割減少て・・・凄い成果だ。

 

 

DLPFCはメンタルにも強く影響を受ける。

 

 

 

 

ではどうすれば施術によって、DLPFCが正常に働くのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紆余曲折の末、たどり着いたのが脳脊髄液である。

 

 

脳脊髄液の循環がよくなれば、

 

 

神経の働きが上がり、

 

 

体のゆがみも整い、

 

 

筋肉の緊張もゆるみ、

 

 

いろんな症状が緩和してくるのではないか。

 

 

という仮説ができた。

 

 

 

 

 

これが原因の原因の原因の・・・おおもとの原因か。

 

 

ついに大ボスを発見した。

 

 

攻略できるかどうかは私次第だ。