姉思い

 

ある日のできごと。

 

 

8歳の長女が自宅の階段をダッシュで駆け上がって行った。

 

 

『ドタッ』

 

 

という音の後、泣き声が聞こえてきた。

 

 

どうやら向こうずねを階段で『ガンッ」とやったようだ。

 

 

 

 

 

 

幸い骨は折れていない。

 

 

だが、むこうずねが青く腫れ上がっている。

 

 

 

 

 

ここで、家族4人は別々の行動をとった。

 

 

嫁さんは長女をソファに座らせ、腫れた脚のアイシングを始めた。

 

 

私は晩ごはんの磯部揚げを夢中で頬張った。

 

 

長女はワンワン泣いている。

 

 

そして、5歳の次女がとった行動が私の胸を打った。

 

 

 

 

泣いているお姉ちゃんを励ますために、なんと横に行って絵本を読み始めた。

 

 

 

 

普段の次女といえば・・・

 

 

自分が散らかしたおもちゃの片付けも、お姉ちゃんに任せっきり。

 

 

お姉ちゃんに髪を結ってもらい、お姉ちゃんに絵本を読んでもらう。

 

 

お姉ちゃんが叱り倒されていても、素知らぬ顔でひとり遊ぶ。

 

 

それがうちの次女。

 

 

 

 

そんな次女が、覚えたてのひらがなを一生懸命に読んだ。

 

 

絵本をまるで呪文のように読んだ。

 

 

でもお姉ちゃんは泣き止んで、じっと妹の読む絵本を聞いていた。

 

 

 

いい姉妹だなぁと思った。