今年の運動会は、コロナの影響で2学年ごとに行われた。
児童はみんなマスクをしていて、走る直前にマスクをとる決まりのようだ。
まずは小学3年生の100m競走だ。
長女の組がスタートした。
インコースの取り合いは上手くいかず、長女はカーブでアウトコースを走った。
最後の直線で挽回したが、トップの子にはわずか及ばず胸の差で2位。
長女には運動会前にアドバイスをしていた。
『もし3番でも4番でも最後の直線で追い抜けるから、最後まで猛ダッシュだよ。』
『もし1番でもきていても、去年は最後で抜かれたから、最後まで猛ダッシュだよ。』
いわゆる最後猛ダッシュ作戦である。
結果は僅差の2位だったけど、父の教え通り最後の猛ダッシュはかなり効いていた。
「たら・れば』の話は言い訳じみて嫌いだけど、あと10m距離が長かったら間違いなく長女が1番だった。
そもそもインコースのスタートだったら1番だったのに。
途中で帽子が脱げそうにならなければ、やはり結果は1番だったろう。
最後の加速力の勝負だったら、文句なしの1番だったはず。
まぁ、1番だけが偉いわけじゃない。
私はNO.1主義でもない。
楽しんだ選手権だったら長女が1番だ。
かけっこが終わったあとニコニコだった。
仲良しのお友達とニコニコで何枚も写真を撮った。
長女はとてもピュアなのだ。
続いてサッカーボールくじ。
ルールはくじを引いて、
1が出れば直近のコーン、
2ならもっと向こうにあるコーン、
3ならかなり遠くのコーンまで回って、
ペアでボールを蹴りながら、ボールをバトンにして渡すリレーだ。
レースに勝つなら1が良い。
だが親として美味しいのは3だ。
出番が長く、撮れ高があるからだ。
サッカーリレーが始まると、奇妙な出来事に気がついた。
ほとんどのペアが、くじで1を引いてるのだ。
それもそのはず。
くじと言っても、缶の中に木の棒を突っ込んで、1とか2と書いてるだけ。
くじを引く前に木の棒に書かれてある数字が丸見えなのだ。
しかも、どの数字がでたかは自己申告制。
ほぼ、すべてのペアは1を引いて、直近のコーンを回ってバトンを繋いだ。
さて、うちの子の出番。
レースに勝つなら1。
芸人なら3を引くだろうこの場面。
長女は見事3を引いて、遠い遠いコーンまでサッカーボールを蹴っていった。
お約束通り、サッカーボールのパス交換もノロノロ運転。
周りからは
『遅いぞー。』
『もっと早くー』
という黄色い声援が飛び交っていた。
きっと長女は1を引きたかったんだろうけど、くじの中身を覗き見するような発想がなかったのだ。
うちの長女はとてもピュアなのである。
遠足も運動会も音楽会も、長女は全力で楽しむ才能がある。