業者『坂本先生が、素晴らしい技術をお持ちだと聞いてお電話しました。』
業者『治療院様が企業様とパートナー契約を結んで、福利厚生で施術して頂きたいというご相談なのですが。』
業者『現在コロナで慰安旅行などが無くなってしまって。』
業者『それよりも従業員の肩こりや腰痛を治して、仕事の効率を上げたいという企業様のニーズがありまして。』
なるほど。
そういう世の中になったのか。
坂本『特に手続きが面倒でなければ、当院は参加しても構わないですよ。』
業者『ありがとうございます。』
業者『まず、当社が運営しているABC(仮)というポータルサイト※に、坂本カイロプラクティック様のホームページを掲載いただきます。』
※ポータルサイトとはGoogleとかホットペッパーみたいな、お店を探すための窓口になる サイト。
業者『登録企業の社員様が、そのサイトからお店を選んで、電話をして予約がとれたら来店する仕組みです。』
んん?
それって・・・
坂本『登録企業の人たちが、自分でGoogleで好きな店を探して行くのとどう違うんですか?』
業者『Googleだと情報が多すぎて大変なので、弊社が厳選したお店のなかで選んでもらうというメリットがあります。』
んん?^^)
坂本『厳選しなくても、たくさんある中から自分で選んだ方がいいんじゃないですか?』
業者『く、詳しくは営業の者が説明致します。』
坂本『それとお金の流れがイマイチ分からないんですよ。』
坂本『御社にはどのような形でお金が入ってくるんですか?』
業者『そこは、そのぉ、詳しくは営業の者が・・・』
坂本『なら結構です。』
業者『あのぅ、あのぅ、弊社ポータルサイトへの掲載費を月々治療院さまから4万円頂きます。』
坂本『う、うちが4万円払うの?』
業者『はい。2年契約となっております。』
坂本『これって、どこが治療院と企業とのパートナー契約なんですか?』
業者『それは営業の者が詳しく・・』
坂本『これのどこが福利厚生なんですか?』
業者『それは、営業の者が詳しく・・』
坂本『私でさえ聞いたことのないポータルサイトなのに、そこに登録して4万円払って、月々何人来る見込みなんですか?』
業者『それは店舗様によって違うので・・』
要はただのポータルサイトへの加入営業だった。
しかもかなり詐欺に近い。
もしポータルサイトからの来客が0でも、途中解約はできないだろう。
こういう営業が本当に多い。
もしただの営業の電話だと分かったら即切りだった。
業者は、あの手この手を使って契約を迫ってくる。
そういえば、
『日本のゴッドハンド12人』
という本を出版している会社から電話があった。
次回作、
『神の手を持つ17人』
という本に、素晴らしい坂本先生にぜひ出て欲しいと言ってきた。
なにも自慢しているわけではない。
私はすかさず聞いた。
坂本『いくらですか?』
出版社『ありがとうございます。XX万円です。』
数十万円払えば、誰でもゴッドハンド17人に仲間入りできる。
これも要は広告だ。
もちろん、どこに電話しても最初から
『素晴らしい先生と聞きました』
とヨイショする。
『素晴らしい先生とお聞きして、ぜひこの本に(XX万円払って)でて頂きたくお電話しました。』
そんなにでて欲しいなら無料で掲載してヨ、と言いたい。
どうせタウンページを見ながら次々電話してるくせに。
ホームページで、
『日本のゴッドハンド17人に選ばれました。』
♪(´ε` )テヘペロ
とか宣伝しておけば、ひょっとしたら数十万円以上の効果はあるかもしれない。
でも、私は恥ずかしくてそんな事できっこない。
ある日、やはりべた褒めしてくる電話がかかってきた。
『坂本先生が大変すばらしいとお聞きして、電話をさせていただきました。』
『我々〇〇という日本最大級の整体学院のものです。』
話が長くなるので要約すると、要はカリキュラムを送るから整体の講師をしてほしいというお話だ。
集客は私に任せるから、年間受講料一人100万円のうち、60%は坂本にキャッシュバックがはいるらしい。
まず会ったこともない私にどれだけ技術があって、どんな人格かも知らないのに講師を任せるなんておかしい。
カリキュラム見ただけで講師できるはずないし。
集客も講義も現地の先生まかせ。
本部はカリキュラムを送るだけで、お金がはいってくる仕組みだ。
100万円払って受講した人が、立派になろうが素人同然だろうが、本部はお構いなしなんだろう。
というか、これで1人前の治療家が誕生するはずない。
いかにも、お金に困っててモラルのない治療家が飛びつきそうなお話だ。
日本最大級の整体チェーンをうたうということは、日本中でこのビジネスが行われているわけだ。
坂本『誰に素晴しい先生と聞いたのですか?』
業者『あのぅ、以前、素晴らしい先生と聞きました。』
坂本『誰から?』
業者『あのぅ、あのぅ・・・』
そんな質問してくる先生はいないんだろう。
電話の向こうでアタフタしていた。
電話してきて、いきなりやたらと褒めてくるのは、やはり下心があるからだ。
みなさんも気をつけよう。