ある日、YouTubeで岡田斗司夫ゼミなる動画をみた。
その動画は魔女の宅急便の解説であった。
子供のころから、少なく見積もっても数千回観たであろう魔女の宅急便。
この解説を聞いて、何気にみていた描写にそんな深い哲理があったのかと感動した。
岡田さんの解説を3つに絞ってご紹介してみよう。
①なぜキキのパンツはしょっちゅう見えてしまうか。
②風邪のシーン
③なぜ街は冷たく描かれたか
さて、いきなりパンツの話で申し訳ない。
①なぜキキのパンツはしょっちゅう見えるのか?
それは、キキの魔法が未熟であるから。
そして、未熟なキキが成長のために恥をかくためだそうだ。
キキがまだ空を飛ぶのが未熟なため、不安定なほうきの上でバランスを崩し、パンツが見えてしまうのだ。
キキは故郷の村を去る時も、新しい街に着いた時も、公衆の面前でパンツをさらす羽目になる。
宮崎駿は、魔女を職業でいうと職人と捉えている。
職人は一人前になるために、客前で失敗して恥をかかなければならない。
恥をかいて客前から消えたくなって、それでも客の前に立つ。
挑戦してまた失敗して客前で恥をかく。(パンツが見える)
もう恥をかきたくない、と思って頑張るのが職人の世界だそうだ。
私も職人だから分かる。
失敗して恥をかいて、練習して挑戦して、また恥をかく。
この繰り返しだ。
ちなみに、キキの頭にある大きな赤いリボン。
これは思春期の自意識を表しているらしい。
リボンという自意識はデッカくて丸見え。
おまけに、見せたくないパンツも丸見え。
これが宮崎駿が考え抜いた、不安定な思春期の主人公を表現する方法だったそうだ。
私が会社員の新人研修で、講師から授かった言葉がある。
『成長には痛みがともなう。』
この言葉は本当に身に染みるほど痛みを味わった。
これでもかというくらい、
冷や汗をかいたし、
上司に叱られたし、
恥をかいたし、
真夜中まで残業したし、
ぶん殴りたいやつもいたし、
不条理を味わった。
人は、冷や汗をかいているときに、成長しているのである。
パンツが見えているときほど、キキも成長しているのである。
第2弾に続く