ある日の昼休み、北野武の対談動画を聴いていた。
北野武は30過ぎてテレビに出れるようになり、漫才ブームで天下をとった。
遅咲きだったのだ。
でも40歳を超えて瞬発力が落ちた。
アドリブがでなくなったのた。
30代では相手に対する『返し』がお笑いとして最も的確だったし、自分でも自信があった。
でも40歳を超えて それが『ポンっ』とでなくなってきた。
それで、自分の漫才はもう終わったなと思ったそうだ。
だから次はラジオをやったり、アドリブではないコントをやったり、司会をやったりとステージを変えてきたそうだ。
その時、インタビューの阿川佐和子さんがいい質問をした。
阿川『その時は漫才に未練とかなかったんですか?
たけし『ない。お笑いはお笑いだし。』
それを聞いたとき、感極まってもないのに、なんだか涙がポロポロでてきた。
お昼休みで良かった。
今まで執着していたものをあっさり捨てて、今の自分に合った方へ行く。
頭のいい人ってこういう人かな。
だから北野武はずっと芸能界のトップで走って来れたのだろう。
私はずっと課題にしてきたカイロプラクティックの矯正がある。
悔しいけど、何年かけて練習しても完成しなかった矯正だ。
他の勉強を後回しにしといて、もう何年もこればっかり勉強して練習して・・・完成してない。
北野武の言葉を聴いてて、
あの矯正にこだわるのは、もう潮時だよと言われているようで。
別の方法で頑張れ、と背中を押されたような。
お前には向いてなかったんだ、と突き放されたような。
なぜか涙がポロポロでてきたんだ。
youtubeを聴いてて、今の自分がやるべき事が分かった。
できない矯正はこっちに置いといて。
次のステージへいかねば。
その日から、何年も前から興味を持っていた頭蓋骨の勉強を始めた。