朝倉未来②

 

年末、久しぶりにテレビを見た。

 

 

大晦日の格闘技イベントの放送である。

 

 

 

10代は喧嘩に明け暮れ、今や格闘技界ではカリスマと呼ばれる朝倉未来選手もでていた。

 

 

Youtubeでも大成功し、年収10億円とも言われる朝倉未来。

 

 

 

 

 

そんな朝倉の対戦相手は斎藤裕選手。

 

 

1年前に朝倉は斎藤に負けている。

 

 

 

 

 

負けた時、ネット上では朝倉のことをボロクソに書く人も大勢いた。

 

 

たとえ正論であっても匿名でボロクソに批判する人達より、批判を浴びながら闘った男の方が私には輝いてみえた。

 

 

プライドの高い朝倉のことだから、今回負ければ引退するだろうと私は思った。

 

 

 

 

 

一方、斎藤は朝倉のように派手さはないが、スポーツインストラクターで働きながら格闘技の練習をして、コツコツと勝ってきた選手だ。

 

 

ウサギとカメでいうとこの、華のある朝倉はウサギで、コツコツ型の斎藤選手はカメだ。

 

 

 

 

私はもちろんコツコツカメさんタイプだ。

 

 

だから、斎藤選手に共感する部分も多い。

 

 

 

 

 

 

 

カリスマだろうが、コツコツ頑張ってようが、負けた方が一晩で全てを失う。

 

 

格闘家は凄い仕事だと思う。

 

 

 

 

 

カイロプラクティックにも競争原理があるかもしれない。

 

 

 

でも、この街に10個お店があったとして。

 

 

10個とも価値があるサービスを提供していれば、

 

 

10個とも繁盛するという世界があると私は考える。

 

 

 

逆に10個とも価値がなければ、10個すべて潰れる可能性もあるはずだ。

 

 

 

 

つまり、ライバルを気にする必要はない。

 

 

自分さえちゃんと仕事をしていれば、お客は必ず来る。

 

 

 

 

 

だが、格闘技はそんなに甘くない。

 

 

どんなに努力しても負ければ水の泡。

 

 

すべてを失う。

 

 

努力を積んできたライバルを叩きのめさないと、自分がすべて失う。

 

 

共存という道はないのである。

 

 

 

 

 

 

10億円のカリスマ朝倉と、コツコツとやってきた斎藤。

 

 

そんな二人の試合が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

2ラウンド。

 

 

朝倉のパンチが斎藤にクリーンヒットした。

 

 

ガックリと膝から崩れ落ちる斎藤。

 

 

猛ラッシュを仕掛ける朝倉。

 

 

 

 

『あさくら~行け行けッ』

 

 

思わず心の中で叫んだ。

 

 

中立の立場で見ていた私だが、心の奥では朝倉を応援していたようだ。

 

 

試合は朝倉が勝った。

 

 

 

 

 

 

 

うーん。やはり凄い男だ。

 

 

朝倉をみていると、闘うとは何かと考えさせられる。

 

 

斎藤さんも次に頑張ってほしい。