年末、久しぶりにテレビを見た。
大晦日の格闘技イベントの放送である。
10代は喧嘩に明け暮れ、今や格闘技界ではカリスマと呼ばれる朝倉未来選手もでていた。
Youtubeでも大成功し、年収10億円とも言われる朝倉未来。
そんな朝倉の対戦相手は斎藤裕選手。
1年前に朝倉は斎藤に負けている。
負けた時、ネット上では朝倉のことをボロクソに書く人も大勢いた。
たとえ正論であっても匿名でボロクソに批判する人達より、批判を浴びながら闘った男の方が私には輝いてみえた。
プライドの高い朝倉のことだから、今回負ければ引退するだろうと私は思った。
一方、斎藤は朝倉のように派手さはないが、スポーツインストラクターで働きながら格闘技の練習をして、コツコツと勝ってきた選手だ。
ウサギとカメでいうとこの、華のある朝倉はウサギで、コツコツ型の斎藤選手はカメだ。
私はもちろんコツコツカメさんタイプだ。
だから、斎藤選手に共感する部分も多い。
カリスマだろうが、コツコツ頑張ってようが、負けた方が一晩で全てを失う。
格闘家は凄い仕事だと思う。
カイロプラクティックにも競争原理があるかもしれない。
でも、この街に10個お店があったとして。
10個とも価値があるサービスを提供していれば、
10個とも繁盛するという世界があると私は考える。
逆に10個とも価値がなければ、10個すべて潰れる可能性もあるはずだ。
つまり、ライバルを気にする必要はない。
自分さえちゃんと仕事をしていれば、お客は必ず来る。
だが、格闘技はそんなに甘くない。
どんなに努力しても負ければ水の泡。
すべてを失う。
努力を積んできたライバルを叩きのめさないと、自分がすべて失う。
共存という道はないのである。
10億円のカリスマ朝倉と、コツコツとやってきた斎藤。
そんな二人の試合が始まった。
2ラウンド。
朝倉のパンチが斎藤にクリーンヒットした。
ガックリと膝から崩れ落ちる斎藤。
猛ラッシュを仕掛ける朝倉。
『あさくら~行け行けッ』
思わず心の中で叫んだ。
中立の立場で見ていた私だが、心の奥では朝倉を応援していたようだ。
試合は朝倉が勝った。
うーん。やはり凄い男だ。
朝倉をみていると、闘うとは何かと考えさせられる。
斎藤さんも次に頑張ってほしい。