近畿大学の近くにある食堂。
その名は『洋食屋キッチンカロリー。』
店主が80歳になり、食堂を閉めることが決定した。
キッチンカロリーの閉店までの軌跡を収録した、ドキュメンタリー動画を見た。
なんだか心に響くものがあったのだ。
『学生たちに腹いっぱい喰わせてやりたい。』
という店主の心意気で始めた食堂なだけに、ボリュームは満点。
安さとボリュームと美味さで、キッチンカロリーは近大運動部の常連店となった。
この店の客は近畿大学の学生だけではない。
そのOB達に囲まれて賑わってきたお店だ。
閉店前の数日間は、閉店を惜しむお客、懐かしむお客が店の前に並ぶ。
店主にお店の絵を送る人、花を渡す人、それぞれが感謝と敬意を込めて御礼をする。
ついに最終日のラストオーダー。
最後の料理を作ったあと、店主はキッチンに手を合わせて、ありがとうとつぶやいた。
役目を全うした、誇り高い料理人の姿がそこにあった。
80歳の店主は、ミシュランで3つ星を獲ったわけではない。
ベンツにロレックスというわけでもない。
でもこの地域の人々に愛されて、惜しまれて店を閉めた。
上を上を見上げて目指して、ちょっと疲れ気味だった最近の自分に、今後どこを目指すかのヒントになった。
これもドキュメンタリー動画でみたやつだが・・・
餃子の王将・京都出町店である。
ここの店主は有名で、お金のない学生にただで腹いっぱい食べさせてきたのだ。
そのかわり皿洗いを手伝わすという事で学生を助けてきた。
苦学生を3万人救ったとも言われている。
そんな店主にも引退の日がきた。
やはりお世話になった元学生たちが全国から押し寄せてきた。
元学生A『困っている時に助けてもらったので恩人ですね。』
元学生B『お金がない家庭で大学に行っていて、皿を洗わせていただいて、お腹を満たして飢えをしのいでいたときがあったので。(泣)』
店主曰く
『無料で食べた人が、その時から困った人に手を差し伸べてくれる人になってくれたら、俺のやっていることは報われる。』
やはりこの店主にも哲学があった。
最近、終活という言葉がある。
人生の終わりをどのように迎えるか、という活動だ。
まだ終活の事は考えてないけど、その手前にくるであろう
『引退』というラストシーンをどのように迎えるか。
この動画をみて考えてしまった。
自分も、できればこんな風に店を閉じられたら幸せかなぁ。