ある日の昼過ぎ。
午後一番のお客さんを施術中、
『バキッ』
と鳴った。
バキッは矯正の音ではない。
受付カウンターの横にあるパーテーションの柱(プラスチック)が折れて、倒れてきたのだ。
経年劣化というやつか。
今の店にやってきて13年と少し。
その時に購入したアコーディオン型のパーテーション。
パーテーションが倒れてきて、玄関から施術部屋が丸見えである。
それどころか、パーテーションがベッドまで倒れてきて施術にならない。
午後一番のお客さんだから、まだ次々人がやってくる。
どうする?どうする?(゜Д゜;≡;゜д゜)
私は頭をフル回転させた。
院内で添え木になりそうなものを探した。
見つかったのは、せいぜい15センチの物差しだった。
この物差しを、パーテーションの柱にガムテープでぐるぐる巻きにした。
だが、全くパーテーションは自立しない。
15センチでは足りない。
こんなことをしている暇はない。
目の前のお客さんもまだ施術中。
その次とその次の人も来る。
時間がない。(゜Д゜;≡;゜д゜)
木の棒がほしい。
できればL型の木の棒だ。
こんなに心の底から木の棒が欲しいと思ったのは、43歳にして初めてだ。
せめて白いガムテープが欲しい。
白いパーテーションに茶色のガムテープで物差しを固定してるから、かなり貧相に見える。
本音は新しいパーテーションがすぐ欲しい。
だがそれは叶わぬ夢だ。
それならば、いますぐダイソーへいきたい。
こんなに近くにあるのに。
私のスプリント力なら、3分で帰ってこれる。
ε≡≡ヘ( ゚Д゚)ノ
だが、お客さんを置いてダイソーへダッシュするわけにはいかない。
考えろ。σ(・´Д` ・)
考えろ。σ(・´Д` ・)
だした結論が、もう一つのキャスター付きのパーテーションとガムテープで連結させることであった。
二つのパーテーションを連結させると、キャスターが使えなくなり、お客さんが通りにくくなる。
だが、とりあえずは目の前の仕事はできる。
なんとか事なきを得た。εー(^。^;)
この壊れたパーテーションには思い入れがある。
4年前、パーテーションの白い不織布の部分に、黒いシミがついてしまった。
泣きそうだった。。・゚・(ノД`)・゚・。
真っ白いパーテーションの布地に黒いシミ。
まだまだ使えるパーテーションだが、白いシミが目立つ。
染み抜きを使ったり、石鹸でこすったり。
修正ペンで消してみようかとも試みた。
私は悩んだ。
なぜ悩むかと言うと、パーテーションはまだ使えるし、シミも目立つ。
買い換えるか、まだ使うかどっち付かずだからだ。
うーむ。どうしたものか。
そうこうしているうちに、時が解決してくれた。
もう悩む必要はない。
もう新しいのを買うしかないから。
パーテーションが壊れた日の16時に、アスクルで新しいパーテーションを購入した。
次の日の午前中に、新しいパーテーションが届いた。
早い。
早すぎ。(゚Д゚ノ)ノ
新しいパーテーションよ。
いらっしゃい。
これからよろしく頼むよ。
壊れちまったパーテーションよ。
今までご苦労様でした。
ありがとう。