引退式

 

私の父は職人だった。

 

 

長らく一つの仕事をやり遂げ、今年の11月末で引退した。

 

 

もう76歳だ。

 

 

そこで、お疲れ会をささやかに行った。

 

 

 

 

 

 

私の父と母。

 

 

花を持たせて写真を撮ってみたけれど、二人とも歳をとった。

 

 

人間は歳を重ねると目が細くなる。

 

 

父と母も目が線になってきた。(-_-。)(-_-。)

          

          

 

 

 

 

 

お祝いで嫁さんと一緒にお金を包んだ。

 

 

私が大好きなキン肉マンの封筒を探したが、なかったので仕方なくドラえもんの封筒を購入した。

 

 

 

 

 

 

父は家のすぐ横の作業場で、作業着を着て毎日仕事をしてきた。

 

 

私は子供の頃、スーツを着て車で会社へ行く友達のお父さんがカッコいいと思っていた。

 

 

その後、会社員になった私はスーツを着て仕事をしていたけど・・・。

 

 

いろいろあって、気が付いたら私も父と同じ職人になっていた。

 

 

血は争えないということか。

 

 

私には、しっかり父の血が流れている。

 

 

 

 

 

 

従業員を入れずに一人で仕事をしているのも、職人気質な父と私の共通点でもある。

 

 

父はずっと一人で仕事をやってきた。

 

 

 

 

 

息子『弟子はとらんが?』

 

 

父『とらん。』

 

 

たった3文字の回答だった。

 

 

さすがは職人。

 

 

多くは語らない。

 

 

 

 

 

 

 

もし弟子をとるなら。

 

 

息子だけ。

 

 

と決めていたんだろう。

 

 

 

父『アキラはひとっつもこれ(父の仕事)をしたいと言わんかったねぇ。』

 

 

と、私が20代の頃に父から言われたことがある。

 

 

本当は、自分の仕事を継いで欲しかったに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

もし私が『継ぎたい』と言えば教えただろうけど・・・。

 

 

父は私になにも言わず、私が決めた進路を見守った。

 

 

私も娘たちへ同じようようにしてあげたい。

 

 

 

 

 

父の築いた技は受け継げなかったけど。

 

 

その分私は、自分で大きな山を築こうと思う。

 

 

 

 

 

長い間、お疲れさまでした。

 

 

ぼちぼち大好きな釣りでも行って、ゆっくり過ごしてくださいな。