卒業式前日。
長女はクラス全員に手紙を書いた。
きっとこのクラスが大好きだったのだ。
最近ナーバスになっていたのは、このクラスから離れるのが寂しかったのかもしれない。
手紙をいれる封筒がなかったので、折り紙のように折って渡すことにした。
沢山あったので、長女、嫁さん次女と家族総出で折った。
私は、
『おとーさん綺麗に折ってやぁ。』
(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵
と叱られそうなので、折らなかった。
ちなみにこの日、小3の次女は卒業生へのお別れ会で、クラス代表としてお別れの言葉を送った。
なんでも、クラスで声のデカい人が数人立候補して、さらにくじを勝ち抜いて選ばれたそうな。
最近、家で突然なにか叫んでいると思ったら、お別れ会の稽古だったらしい。
(」゚O゚)」うお───ぃ!!
その甲斐あって、次女は見事大役を果たした。
卒業式当日。
万が一に備えて、私はハンカチとティッシュをポケットに忍ばせていた。
娘の卒業式で、感極まって涙をこぼすなど、サムライの世界では御法度である。
学校に到着。
女子はみんなカラフルな袴を着ている。
ピンクの桜模様に、赤と白の弓矢根模様。
えんじと濃紺に、紫のあじさい模様。
カラフルな袴ブームは、鬼滅の刃に出てるキャラクターが影響しているのかもしれない。
うちの長女の袴も、かなりカラフルだ。
アイボリーに赤のつばき柄で、下は桜色。
スマホの時代になって、見栄えの良いカラフルな袴が流行ったのだろう。
ちなみに10年ほど前は、AKBのステージ衣装の服が卒業式では定番だったそうな。
あの赤いチェックの制服みたいなやつ。
卒業式のファッションも時代が反映されているのである。
式は順調に進行していった。
涙腺トラップは、さほどなかった。
しかし、終盤の森山直太朗の『さくら』の合唱は感極まってきた。
素晴らしい歌詞と、迫力のある生演奏。
なにより、卒業生の歌声。
今から巣立っていく卒業生が歌う『さくら』は、やはり熱がこもる。
いい唄だった。
卒業式が終わったあと、各クラスでお別れ会をして解散。
お別れ会の間は、保護者は外で待機だ。
とても寒い。ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
3月下旬なのに、朝は気温が1度だった。
お昼も曇りがちで、風が吹いて寒い。
嫁さんとひたすら待った。
寒い。ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
やっと卒業生がでてきた。
もちろん、そこから写真撮影をしまくる。
仲の良い友達と撮って、あの子と撮って、この子と撮って。
クラスの子と撮って、同じ保育園で集まって撮って。
3人で撮って、
『◯◯ちゃんもきいや〜』
『◯◯ちゃんも。早く早く。』
3人で撮って、5人で撮って、校門前の垂れ幕の前でまた撮って。
名残惜しいのか、帰る前にまた撮って。
寒くなければ、いくらでも撮ってあげるが、とにかく寒い。
100人以上いた卒業生も少しずつ減ってきて・・・
気がつくと我々が一番最後であった。
長女はこんな寒いなか、一番最後まで粘った。
いよいよ誰も写真を撮る友達がいなくなって、
やっと『帰ろっか。』と言った。
長女は、こんなにも大好きな友達が沢山いて。
こんなにも、自分を愛してくれる友達に囲まれていた。
親としては、有り難いとしか言いようがない。
さようなら。
また逢う日まで。