今年の夏。
海でゲットしたヤドカリを持ち帰り、次の日にヤドカリは天に召された。
それから数日。
小学4年次女の、ヤドカリ熱はまだ冷めていなかった。
『ヤドカリを飼いたい。』
という野望が、次女のなかでは、まだ燃えているのである。
海水だと育てるのが大変。
なんせ前回は海水に塩水を足した後、すぐにヤドカリは天に召された。
川のヤドカリなら育てられるだろうと、安易な考えで私と次女は一路川へ向かった。
沖縄とかじゃないと、川のヤドカリはいない気がするが・・・
もしかしたら、カニとかメダカで次女はガマンするかもしれない。
そん淡い期待もあり、私が目指した川は土佐山。
高知市を北上し、20分。
楽園のようなきれいな川である。
さて、ヤドカリ探すぜ。
その日の最高気温は37度。
橋の下の影で探した。
さて、高知の川でヤドカリはそうそう居るわけもない。
岩を持ち上げると、カニがワサワサ動いている。
父『ヤドカリやなしに、カニ飼う?』
しかし、次女がカニはいらないと断固拒否。
ヤドカリは、貝から頭をピョコッと出しては、砂利の上をチョコチョコ歩く。
あの愛らしさが、次女は忘れられないのである。
そんな時、岩にへばりついている黒い影。
そう。
タニシである。
父『これどうする?』
次女『うーん。いちおう持っちょく。』
カニよりはフォルムはヤドカリに近い気がするが・・
なにかが、決定的に違う。
しかし、一応タニシはキープだ。
ヤドカリは岩の下なんかにいるはず。
いくら岩をめくってもカニばっかり。
私がヤドカリを探すなか、次女はとっくに飽きて遊んでいる。
そのうち
『ねぇねぇ、泳いでいい?』
『いいろ?泳ぎたい。ねぇねぇ。』
と言い出した。
この日は酷暑だった。
次女は服のまま泳ぎ出した。
そしてタイムアップ。
この日の収穫はタニシ2匹。
現実は厳しい。
家に持ち帰って、翌日の朝。
めちゃくちゃタニシの容器が汚れていた。
次女曰く、タニシはめちゃくちゃフンをするらしい。
さすがに気が萎える。
これを、毎日私が掃除するのか。
うーむ。
次女は自分で毎日掃除すると言ったが、そんなはずはない。
歴史が証明している。
次女に容器を見せて聞いてみた。
父『タニシ・・・飼う?』
いざ決断のとき。
次女『うーん。えいわっ。』
私は家の近くの川へ、タニシを放した。
来年の夏。
また海でヤドカリと遊ぼう。
ここで一句。
ヤドカリは 持って帰るな 海でだけ