七色に光る石

 

小学4年の次女が、百日草を育てていた。

 

 

玄関の小脇に鉢を置いてて、毎朝水をやるのが日課だ。

 

 

 

 

 

 

ある朝、水をやっていると、

 

 

次女『おとーさん。』

 

 

次女『みてみて。この石だけキレイにひかりゆう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの家の敷地内は、白い石灰石を敷いている。

 

 

そのなかで、百日草の横にある石灰石の一つが、キラキラと七色に輝いていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次女の目も輝いていた。*(ˊˋ*)*

 

 

白い石が並んでいるなかで、一つだけ七色に輝いている。

 

 

これはもしや。

 

 

飛行石。

 

 

いつぞや、金曜ロードショーでみた、『天空の城ラピュタ』にでてくる飛行石にも見ようによっては見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は迷った。

 

 

種明かしをするべきか、否か。

 

 

だって、次女の目が輝いているんですもの。

 

 

うーむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

父『その石とってみいや。』

 

 

光る石を取ると、今度はその下にある石が七色に光る。

 

 

次女『あれ?』

 

 

父『ほら、自転車のやつが石を照らしてるんよ。』

 

 

 

 

 

 

自転車の反射板が、石に反射して光っているのであった。

 

 

次女『なーんだ。』

 

 

次女『でもキレイやったね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私より次女の方が、曇りなき眼(まなこ)で世界をみていると思った。

 

 

 

 

 

『うつくしいものを、美しいと思えるあなたの心が美しい。』

 

 

という、あいだみつをさんの詩を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ほら見て見て~』

 

 

と言って、一生懸命に牛乳パックで作った家を見せてくる次女。

 

 

 

私も次女のように、もっと感動したり驚いたりして生きていきたい。